機械翻訳のメリット・デメリットとは? 機械翻訳 vs. 人力翻訳

更新日:10月31日





機械翻訳(AI翻訳、自動翻訳とも呼ばれる場合もありますし、英語では、Machine Translationと言います)と言えば、Google翻訳やBing翻訳などがありますが、最近は、日常的にもこのような機械での翻訳を利用する機会がますます増えてきています。

機械翻訳の翻訳品質は、ここ数年で格段に向上しているとも言われています。

スマホアプリなどで簡単に翻訳ができるので、ビジネスだけでなく、買い物中に店頭で輸入菓子の原材料を調べることできたり、海外旅行で知り合った友人からのメールの返信に使われる等、プライベートでも広く利用されています。


しかし実際は、ビジネスにおける機械翻訳の利用については、まだまだ懸念される事項が多く存在しているのは事実です。

今回は、機械翻訳の良い点と悪い点(英語では、Pros and Consと言います)、更にはまた従来通りの翻訳者による翻訳、いわゆる「人力」翻訳との比較も検証してみたいと思います。


1.機械翻訳とは

「機械翻訳」とは、コンピューター(機械)を利用して、元となる言語で書かれた文章(原文と呼びます)を、別の言語(対象言語)に自動的に翻訳することを指します。

「自動的」に翻訳することので、「自動翻訳」とも呼ばれますが、自動翻訳には、大きく分けて3つの異なる仕組み(システム)が存在します。


まず一つ目は、ルールベース機械翻訳(RMT)です。

ルールベース機械翻訳は、文字通り、ルール(文法)に基づいて、蓄積された過去の翻訳文や単語、用例のデータを利用して翻訳結果を導き出します。

ルールベースの機械翻訳の基本の流れとしては、まず文法的に原文の構造や意味を解析し、その後訳出する言語(ターゲット言語)に変換します。

更に、辞書情報を参照しながら不足部分を補足するという手順で作業が進んでいきます。

これは、昔から存在する機械翻訳のシステムですが、デメリットとしては、文法に則った構造になっていない文章を正確に翻訳することができないということです。野球に例えると、直球は打てるが、変化球は打てないシステムということでしょうか(例えが下手でごめんなさい)。


二つ目は、統計的機械翻訳(SMT)ベースです。

次に、統計的機械翻訳についてお伝えします。

統計ベースとは、蓄積された対訳情報をベースに、統計的なモデルを学習することによって妥当な翻訳を行っていくシステムのことを指します。

前述のルールベース機械翻訳に比べて翻訳品質については高くなると考えてよいでしょう。

一方で、原文の文法と訳する先の言語の文法構造が異なる場合には、翻訳品質が下がってしまうというデメリットがあります。

つまり、多くの言語と文法構造が異なる日本語と、他言語間の翻訳については品質が下がってしまう可能性が高いです。


三つ目は、ニューラス機械翻訳(NMT)とは?

3つ目は、ニューラル機械翻訳です。

人間が脳に記憶するシステムを機械に応用したと言われている、つまり脳神経細胞に似ている「ニューラルネットワーク」や、ディープラーニング(深層学習)を利用した機械翻訳です。ここで紹介した3種類の機械翻訳の中では、最も細かいニュアンスまで反映できると言われており、自然で高精度の翻訳が可能と言われています。

また、前述の2種類の機械翻訳では難しいとされていた「文書単位」で候補を見つけることができます。

更に画像キャプションの翻訳も自動でできるなどの多くの利点がありますので、今後の主流になるものと考えられています。

他方、やはり原文によって翻訳精度にばらつきはありますし、専門用語や人名などの固有名詞や特殊な単語は適切に翻訳できないことがあるのも事実です。

そもそも、機械翻訳ができるのは「直訳」だけですので、ローカライズと呼ばれるその国の文化や習慣、時代背景を訳文に反映させるといった対応は現時点では不可能です。


昨今、国外にてグローバルに活躍をする企業が増えています。

海外企業を相手にビジネスを展開するには、世界で通用する商慣習を理解するのはもちろんのこと、相手企業(相手国)の文化や習慣を正しく理解し信頼関係を構築することが不可欠ですが、特に文化を理解するためには相手の国の言語の理解は大変重要と言えます。

「正しい翻訳」がいかに重要であるか、そしてその必要性は今後一層高まっていくでしょう。

そのような状況の中、この数年間で格段に向上したと言われている機械翻訳の品質ですが、果たしてビジネスの場で活用できるほどのものになっているのでしょうか?


機械翻訳 vs. 人力翻訳

パソコンやスマホ、タブレットが日常に普及したことで、オンラインで使える数多くの翻訳アプリやサービスが登場し、今や誰もが手軽に「翻訳」をすることが可能になりました。

日常会話でしたら、機械翻訳はとても役に立ちます。

しかし、ビジネスの世界での翻訳ニーズに関していうと、残念ながら現時点では機械翻訳では、まだまだ力不足な面が多いのが実情です。

ここで、従来の翻訳者(人間)による翻訳について少しおさらいしてみましょう。

最近は、人間による翻訳は、「人力翻訳」と表現することがあるように、「人の力で翻訳を行うこと」を指します。与えられた限りのあるデータの対訳を作成する機械翻訳と違い、基本的にどんな文章であっても翻訳することが可能です。

文章の微妙なニュアンスの違いを理解し、対象言語で適切な表現を選択することができますし、想定される読み手や背景にとってより理解しやすい言葉や用語を選択したり、書き手の意図を考慮した表現なども可能です。

これだけを考えても、まだ機械翻訳には、そこまでの力量がないということはお分かりいただけると思います。


また、特に注意が必要なのは、企業サイトの機械翻訳利用です。


最近では、海外に向けてグローバルに活躍する企業の事業や提供するサービスを紹介するサイトが多言語化されていることも珍しくありません。

日本語のサイトを、英語、中国語(簡体字及び繁体字)、韓国語の4か国語はもちろん、フランス語やイタリア語といった、ターゲット国の言語も翻訳するとなると、8言語以上に翻訳をする必要がある場合もあります。

しかし、例えば8言語への翻訳を人力で翻訳をするとなると、それ相応の予算が必要です。

「できるだけ安く翻訳をしたい」という気持ちは良くわかりますが、翻訳品質に問題がある機械翻訳では、誤訳が生じる可能性が高いため、企業サイトにおいてそのような誤訳があった場合、企業としての信頼性に関わるリスクが生じたり、商談における揉め事の発端にもなりかねません。

ですので、企業サイトなどの高い精度を求める場合は、少なくとも2022年の現時点においては、人間よる人力翻訳を使うことを強くお勧めします。

特に、歴史のある企業の経営理念やメッセージにおいては、日本語特有のニュアンスや繊細な表現をくみ取り、他言語に反映させること必要があるとなると、それは、人間の力による翻訳でなければとても難しいでしょう。

また、これは余談ですが、社内に翻訳ができるレベルの語学力がある人材がいない場合は、プロの翻訳者に翻訳を依頼することをお勧めします。

フランス語がビジネスレベルで話せたり、フランスに何年か住んだことがあったとしても、翻訳においては異なるスキルが求められますので(特に、日本語から他言語への翻訳の場合)、結果として、修正や翻訳しなおしといった二度手間(経費も余計に掛かります)となってしまいますので、ご注意ください。


結論


2022年現在は、機械翻訳は日常会話や旅行などで大変便利であるのでぜひ外国人との交流に活用されることをお勧めします。

一方で、ビジネスにおいて実用的な翻訳が必要な場合は、機械翻訳を参考にすることすら場合によってリスクが生じるということを念頭に置かれることとともに、プロの翻訳者による翻訳サービスの利用をお勧めします。


機械翻訳は、常に進歩し続けています。

機械翻訳の精度が高くなってきたと言っても完璧には程遠いでしょう。

特に専門分野における翻訳は、機械翻訳では対応不可能な場合もあります。

その場合は、経験と実績が豊富なプロの翻訳者による翻訳サービス、アシーマの翻訳をぜひご利用いただければと思います。


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