3I/ATLASから届いた“星間の声”──南ア・MeerKATが初の電波シグナルを検出
- ACIMA WORLD NEWS 編集部

- 5 日前
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更新日:15 分前

南アフリカのMeerKAT電波望遠鏡が、恒星間天体 3I/ATLAS(アトラス) からの電波吸収シグナルを検出しました。これは、人類が初めてこの天体の存在を電波で“聴いた”瞬間です。
🔭 MeerKATによる観測
MeerKATは、南アフリカ電波天文学観測所が運用する13.5メートル口径の電波望遠鏡。2025年10月24日、太陽からわずか3.76度(太陽の見かけの直径の約7倍)の位置にあった3I/ATLASを観測しました。
その結果、1.665 GHzおよび1.667 GHzという2本のスペクトル線で、水酸基(OH)分子による吸収線が明確に検出されました。これらの吸収線は、それぞれドップラー速度 -15.6 km/s 前後で観測され、線幅(FWHM)は約1 km/sと非常に狭いものだったといいます。
9月に行われた2度の試みでは検出に失敗しており、今回が初の成功例となります。
☀️ 太陽面通過と温度解析
この観測の3日前、3I/ATLASは地球から見て太陽面の背後(合)を通過していた。太陽との距離は1.38 AU(地球〜太陽間の1.38倍)であり、その表面温度は約230K(-43℃)*と推定される。この温度で放出されたOH分子の熱運動による「熱的広がり(thermal broadening)」が約0.8 km/sであることから、観測値との一致が確認されました。
ローブ博士は「偶然にも、先月ハーバード大学の授業で“放射過程”と熱的線幅について講義したばかりだった」とコメントしています。
📡 これは「3I/ATLASからの最初の声」か?
このシグナルは、これまでのどの観測にもなかった電波領域での初検出であり、同博士によれば「3I/ATLASから届いた最初の“声”」といえます。
博士は数週間前、自身のブログで「3I/ATLASの到来方向が1977年に検出されたWow! シグナルの方向と約9度以内で一致している」と指摘していました。このことから、彼は電波天文台に3I/ATLASの監視を呼びかけていたといいます。
🪐 次の焦点は「木星接近」
2026年3月16日、3I/ATLASは木星に約5300万kmまで接近する見込みです。その際、NASAの木星探査機Junoが搭載する双極アンテナを用いて、50Hz〜40MHzの低周波帯域で電波信号を探索する予定です。
💬 世界から届く反響の声
記事の公開後、ローブ博士のもとには世界中から感謝と感動のメッセージが殺到しました。
「あなたの研究は、子どもたちに“好奇心”を教える最良の教材です」(イタリアの理科教師ステファニア氏)
「学者ではない私でも、宇宙を近くに感じられるようになりました」(メキシコ・アルフォンソ氏)
「あなたは混乱の中の“真実の声”だ」(英国ブリストルのアンディ氏)
「ケープタウンから3I/ATLASの啓発活動を広めています」(南アフリカ・チャド氏)
「中国語圏でも、あなたの姿勢がガリレオの時代を思い出させます」(インターステラー・アーキオロジーチーム)
世界の多様な言語・文化の人々が、ひとつの天体を通じて「科学と人間の対話」に心を動かされている。その中心にいるのが、ローブ博士の“問い”です。
🧭 科学が持つ「音のような言葉」
3I/ATLASは、音を持たない宇宙空間で“沈黙の音”を奏でました。それを受け取ったのは、人類が築いた科学の耳――電波望遠鏡でした。
この信号は単なる観測データではなく、「未知に耳を傾ける勇気」そのものを象徴しているのかもしれません。
🔭3I/ATLAS、近日点通過後の新データが示す「13%の質量消失」
文:ACIMA WORLD NEWS 編集部
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