🔭 火星から捉えた恒星間天体3I/ATLAS ― 中国「天問1号」が捉えた史上初の映像
- ACIMA WORLD NEWS 編集部

- 2025年11月7日
- 読了時間: 3分
更新日:2025年11月18日

火星接近時の“ぼやけた光球”
2025年10月3日、恒星間天体3I/ATLAS(アトラス)が火星からわずか2,896万kmの距離にまで接近しました。この歴史的な瞬間を捉えたのは、意外にもNASAではなく――中国国家航天局(CNSA)の探査機「天問1号(Tianwen-1)」でした。
CNSAが公開した最新画像では、アトラスの核とそれを包むコマ(coma)が確認され、光の玉のようにぼんやりと輝いています。この撮影は、火星周回軌道上から恒星間天体を直接観測した世界初のケースです。
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HiRIC vs HiRISE ― 火星探査の“光学競演”
天問1号に搭載された高解像度カメラ「HiRIC」は、主鏡口径38.7cmの光学システムを持ちます。一方、NASAの「マーズ・リコネッサンス・オービター(MRO)」に搭載されたHiRISEカメラは50cm口径で、1ピクセルあたり30kmという驚異の分解能を誇ります。
ローブ博士は、「HiRISEの画像が公開されれば、ハッブル望遠鏡の約3倍の解像度で3I/ATLASを観測できるだろう」と述べています。しかし、アメリカでは政府閉鎖(shutdown)の影響でデータ公開が遅れており、代わりに中国が“先に見せた”形となりました。
CNSAが公開した3I/ATLAS観測結果
中国国家航天局の発表によると、天問1号のHiRICカメラは3I/ATLASを30秒間隔で連続撮影。取得されたデータをもとに、研究チームは火星の空を横切る3I/ATLASの軌跡アニメーションを生成しています。
その結果、観測画像からは以下の特徴が確認されました:
中心部に明るい核(nucleus)が存在
その周囲に数千km規模のコマ(coma)が形成
彗星のような“尾(tail)”は現れず、光が散乱したような球状の輝き
ローブ博士は「NASAのHiRISEによるさらなる高精細画像に期待したい」とコメントしています。
政治と科学の交差点
同時期、アメリカではアンナ・ポーリナ・ルナ議員がNASAに対し、「3I/ATLASに関するすべての観測データと画像の公開を求める書簡」を提出。
これは、アメリカ国内で“3I/ATLASは本当に自然の彗星なのか?”という議論が高まる中での行動です。ルナ議員の要請に対し、ハーバード大学のローブ博士は「科学を政治に人質にすべきではない」とし、「データの共有こそが真の科学的進歩をもたらす」と強調しました。
次に待つのは「HiRISE」の真実
12月には、ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(JWST)による3I/ATLASの再観測が予定されています。もしそこでもガス雲や尾が見られなければ――この天体は「通常の彗星ではない」ことが決定的となるでしょう。
CNSAとNASA、そして世界中の天文機関が注目する「次の画像」は、私たちが宇宙をどう理解しているか――その常識を根本から変えるかもしれません。
文:ACIMA WORLD NEWS 編集部
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