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3I/ATLASは地球へのメッセージか?──インド発・“青い星間訪問者”の謎が深まる

Post-perihelion image of the interstellar object 3I/ATLAS
Post-perihelion image of the interstellar object 3I/ATLAS


🪐 異常すぎる恒星間天体3I/ATLAS、世界の注目がインドへ


2025年10月29日、恒星間天体 3I/ATLAS(アトラス) が太陽に最接近。その後、わずか1週間で新たな“異常現象”が次々と確認されました。


インドの大手経済紙 The Economic Times は、11月6日付で

「3I/ATLASが地球にメッセージを送った?」という衝撃的な見出しの記事を掲載。

この報道がきっかけとなり、世界のSNSで「人工物ではないか」「異文明の使者か」といった議論が再燃しています。


アシーマでは、すでにローブ博士の分析を追ってきましたが、今回はこの国際報道と最新観測データをもとに、3I/ATLASの“次の章”をお届けします。



🔭 明るくなったのに、尾がない ― 科学者たちの困惑


最新観測によれば、3I/ATLASは近日点通過後に約5倍も明るさを増したにもかかわらず、彗星に見られるガスや塵の尾をまったく形成していません


スペインの R. Naves Observatory が11月5日に撮影した画像には、太陽に照らされる方向(左下)を向くぼんやりとした光球だけが写っており、通常の彗星に見られる尾の形跡はありません。

同じ日、Virtual Telescope Project も同様の結果を報告。太陽からの放射や太陽風を受けても、尾が一切現れないという事実は、「自然の彗星ではあり得ない」との声を強めています。



☄️ NASAとハーバードの分析 ― “推進”の痕跡か?


NASAジェット推進研究所(JPL)と国際天体センター(MPC)は、3I/ATLASに「非重力的加速(non-gravitational acceleration)」が存在すると正式発表。

重力以外の要因――つまり内部からの推進力が作用しているというのです。


ハーバード大学の アヴィ・ローブ博士 はこの現象をこう説明しています:

「もしガス噴射による推進なら、尾や蒸発が観測されるはず。しかし、観測されたのは“静かな加速”だけだ。」

この“加速しているのに噴射がない”という矛盾が、「人工的な推進源ではないか」という仮説を生み出しました。



SNSで広がる「地球へのメッセージ説」


The Economic Timesの記事公開後、SNSでは「3I/ATLASが地球に信号を送った」「人類への観測テストでは?」といった投稿が拡散。

もちろん科学的根拠はありませんが、一般の関心がここまで高まったのは、この天体が既知の物理法則では説明しにくい挙動を見せ続けているためです。

ローブ博士自身も「データに正直であるべきだ」と強調し、「理論が追いつかない現象を否定するのは科学の敗北だ」と語っています。



青い光とCO⁺ ― 未知のエネルギー源か?


3I/ATLASの光は、青みを帯びていることがスペクトル解析から判明しました。この“青い輝き”は、通常の彗星よりも太陽よりも青く、CO⁺(一酸化炭素イオン)ガスの放射、あるいは未知の高温エネルギー源による可能性が指摘されています。

自然な彗星なら、表面温度は太陽よりはるかに低く、赤く見えるはず。それが逆に“青く光る”というのは、物理的にも異例です。



ATLASの起源 ― 太陽系外からの旅人


3I/ATLASは、2025年7月1日、チリ・リオウルタドのNASA ATLAS望遠鏡により発見。NASA近地球天体研究センター(CNEOS)は、この天体が双曲線軌道を描いて太陽系外から飛来したことを確認しました。

名称の“3I”は Interstellar Object(星間天体)を意味し、1I/ʻOumuamua(2017年)・2I/Borisov(2019年)に続く史上3番目の星間訪問者です。



最新観測と今後の焦点 ― JWSTが決める“真実”


NASAは12月、ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(JWST)による再観測を予定。もし巨大なガス雲(coma)が確認されなければ、3I/ATLASは「通常の彗星ではない」とみなされます。

一方で、CO⁺ガスや塵の存在が検出されれば、自然由来の天体としての可能性が再び浮上するでしょう。12月19日の地球最接近が、真実を見極める分岐点となります。



これまでに判明している「10の異常」(要約)

#

異常内容

概率・特徴

1

惑星軌道面と5度以内で整列

0.2%

2

太陽方向への“逆尾”

通常彗星では見られない

3

ʻOumuamuaより100万倍重い

速度も上回る

4

火星・金星・木星には接近、地球のみ回避

0.005%

5

ニッケルに富むガス組成

工業合金に類似

6

水分含有率4%

通常彗星は60%以上

7

異常な負の偏光

既知の彗星に例なし

8

“Wow! Signal”方向から侵入

9度以内

9

近日点で太陽より青く輝く

極めて異常

10

非重力的加速を示すも尾なし

ガス噴射不在

この“異常の連鎖”が、3I/ATLASを単なる彗星ではなく、「星間の使者(Interstellar Messenger)」と呼ぶ理由です。



科学の壁を越えて ― 世界から届く声


ローブ博士のもとには、世界各地から応援メッセージが届いています。インド、オーストラリア、チリなど、一般市民や学生たちが「あなたの研究で宇宙に興味を持った」と語る声が相次いでいるのです。


科学とは、未知を恐れずに問い続ける営み。3I/ATLASが地球にもたらしたのは、“恐れではなく、知への情熱”なのかもしれません。



翻訳の力で、宇宙の知をつなぐ


3I/ATLASをめぐる議論は、今や天文学を超えて、哲学・政治・文化の領域にまで広がっています。


アシーマ(Acima Corporation)は、こうした国際科学報道を正確かつ感性豊かに日本語で伝える翻訳会社です。英日・日英の専門翻訳を通じて、「人類の知の橋渡し」を担うことを誇りにしています。

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