NASA沈黙の裏で起きた“8つの異変” ―― アヴィ・ローブ博士、3I/ATLASの近日点を語る
- ACIMA WORLD NEWS 編集部 
- 1 日前
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2021年8月22日に、ゴールドストーンの70メートル電波アンテナで撮影された一連の画像。小惑星「2016 AJ193」が自転している様子を示しています。この直径約1.3キロメートルの天体は、1968年以来、惑星レーダーで観測された1,001個目の地球近傍小惑星となりました。 (出典:NASA/JPL-Caltech)
■ 太陽を回った“星間の来訪者”
「太陽へ向かう“星間の来訪者”」として注目を集めた3I/ATLAS(スリーアイ・アトラス)が、ついに太陽を回り終えました。
ハーバード大学のアヴィ・ローブ博士は、前回の記事でこの天体を「宇宙の真実を問う試金石(acid test)」と呼び、近日点(10月29日)で“何が起きるか”を注視していました。
そして今――その通過が終わった今、博士が指摘するのは、「8つの異変」と「NASAの沈黙」です。
■ 太陽の裏側で何が起きたのか?
3I/ATLASが太陽に最接近したのは、2025年10月29日 午前7時47分(米東部時間)。NASAのJPL軌道解析による誤差はわずか数分とされます。
しかし、その瞬間を私たちは見ていません。太陽の裏側――地球から完全に隠れた位置を通過したため、地上からの観測は物理的に不可能だったのです。
しかも、NASAはこの期間に取得した観測データをまだ公表していません。政府機関の一部で続く業務停止(シャットダウン)の影響もあり、太陽観測衛星や宇宙探査機が収集した画像・分析データは、研究者にも一般にも届いていない状態です。
■ ローブ博士の「3I/ATLASに関する情報公開要請」
この沈黙を受け、ローブ博士は明確に行動を起こしました。
博士は、NASAが10月2日に撮影したHiRISE探査機の高解像度画像を保有していることを把握しており、米議会議員アンナ・ポリーナ・ルナ氏の協力のもと、そのデータを科学者向けに公開するよう正式に要請しています。
「このようなときこそ、オープンサイエンスの精神が必要です。もし地球外テクノロジーが関与しているなら、それを検証するのは人類全体の責任です。」
ローブ博士は、透明性と科学的検証のための情報開示を求めています。
■ 「自然では説明できない8つの異変」
博士は、近日点通過前後に明らかになった3I/ATLASの特性を分析し、「単なる彗星では説明できない」として、次の8つの“異変”を挙げています。
- 軌道が黄道面と5度以内で一致。 確率はわずか0.2%。 
- 反太陽方向に噴き出す“アンチテイル”が実在。 通常の彗星では見られない現象。 
- 核の質量が異常に大きく、速度も極めて高い。 1I/オウムアムアの100万倍、2I/ボリソフの1000倍。確率0.1%未満。 
- 火星・金星・木星に絶妙な距離で接近しながら、地球からは観測不可能な軌道。 タイミングが“調整されている”ように見える。 
- ガス中のニッケルが鉄より多く、人工合金に近い組成。 ニッケルとシアン化物の比も既知の彗星の数百倍。 
- ガス中の水分はわずか4%。 通常の彗星では主成分の水がほとんど存在しない。 
- 極端な“負の偏光”を示す。 これほど強い偏光は過去に例がない。 
- 到来方向が1977年の“Wow!シグナル”と9度以内で一致。 確率0.6%。 
これらを掛け合わせると、「10の16乗分の1(1京分の1)」以下――ほぼ偶然ではあり得ない確率になります。
博士はこの統計をもとに、「3I/ATLASはLoebスケールで“4”に位置する」と述べています。(※0=完全に自然、10=明らかに人工的)
■ もし人工物だった場合
博士はこう語ります。
「私たちの最大のロケット“スターシップ”でさえ、3I/ATLASの100分の1しかありません。もしこれが人工的な構造物であるならば、その送り主は、私たちを遥かに上回る技術を持っています。」
ローブ博士が提唱する「宇宙的謙虚さ(cosmic modesty)」とは、“私たちは宇宙の中心ではない”という考え方です。想像ではなく、観測によって証拠を積み上げること――それこそが科学者としての責務だと博士は強調しています。
■ 近日点後、次に注目すべき瞬間
3I/ATLASは今、太陽の裏側を離れ、再び地球方向へと向かっています。次の重要な観測ポイントは12月19日(地球最接近:約2億6,700万km)。
このときNASAやESA、そして博士の率いるガリレオ・プロジェクトが本格的な追跡観測に入る見通しです。
「この天体が自然の氷塊なのか、あるいは誰かが送り込んだ星間の探査機なのか。答えは、これからの数週間で明らかになるでしょう。」
■ 終わりに ―― 宇宙は沈黙しているが、観測は続く
NASAが沈黙を続けるなか、世界各地の研究者やアマチュア観測者たちは独自の方法で3I/ATLASを追っています。太陽の裏側で“何か”が起きていたのか――その答えは、間もなくやってきます。
そしてこの出来事が、単なる宇宙ニュースではなく、人類の認識を揺さぶる分岐点となる可能性もあります。
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