科学リテラシーの高い層の95%が“宇宙に知的生命はいる”と信じていた──しかし“周りは半分しか信じていない”と思い込んでいることが判明
- ACIMA WORLD NEWS 編集部

- 12月1日
- 読了時間: 5分

※本調査は大学卒以上77.6%、科学への関心が非常に高い層6,114人を対象とした特殊サンプルです。一般人口とは大きく異なります。
■ はじめに:ローブ博士+心理学者チームによる共同研究
今回アシーマが紹介するのは、
アヴィ・ローブ博士(ハーバード大学)
オマー・エルダディ氏(ライヒマン大学)
ガーション・テネンバウム氏(ライヒマン大学)
による、学際的な共同研究です。
研究タイトルは:
Surveys on the Existence of Extraterrestrial Intelligent Life and Effects of Revealing Expert Consensus(日本語:「地球外知的生命の存在に関する調査と、専門家コンセンサスを提示した際の影響」)
この研究は、2025年11月28日時点でローブ博士が Medium で全文公開し、査読付きジャーナルへの投稿準備中となっています。
本記事は、Medium に公開されたローブ博士の記事内容を基に、ACIMA WORLD NEWS 編集部が情報を整理し、正確かつ中立的に紹介するものです。
■ 1. 調査サンプル:世界112か国、6,114人の“高度に科学志向”な層
調査対象は非常に特徴的です。
77.6% が大学卒以上
67.99% が「科学への関心が高い〜非常に高い」
国籍は 112か国にわたる
年齢平均 49.22歳
つまり、
「宇宙・科学・知的生命の問題をまじめに考えたい層」だけを集めた特別サンプル
であることが最大の特徴です。
本研究の結果を「一般人口にそのまま当てはめてよい」という意味ではありません。
■ 2. 結論の核心:
95.01% が “知的生命は存在する” と信じていた
自己信念(Self-Belief)の分布は以下のとおり:
62.59%:絶対に存在する(Definitely exists)
32.42%:おそらく存在する(Probably exists)
合わせて 95.01% が存在を肯定。
否定(1〜2)に回答したのは 1.02% にすぎませんでした。
比較対象となるのは、2025年に Vickers らが発表した 専門家調査の結果です。
58.20% のアストロバイオロジー専門家が「知的生命は存在する可能性が高い」と回答
一般の科学志向層の方が、約37ポイントも“強く存在を信じている”という意外なギャップが出ました。
■ 3. しかし──
「自分は信じているが、周りは半分しか信じていないはず」
という巨大な“誤解”が存在した
参加者が推測した「自分の周囲の人の信念(Social-Belief)」は:
48.94% くらいが信じているだろう
という回答。
しかし現実は 自分自身は 95% が信じている。
つまり、
みんな信じているのに、“みんな信じていないと思い込んで沈黙している”
という矛盾が生まれているわけです。
ローブ博士らはこれを:
★ “Cosmic Closet(宇宙版・沈黙のクローゼット)”
と名付けています。
社会心理学的には「多元的無知」と呼ばれる現象ですが、この規模で見られるのは非常に珍しいケースです。
■ 4. 専門家についての誤解:
数(prevalence)だけでなく“確信の強さ(intensity)”もズレていた
参加者は、専門家のうち
67.63% が信じているだろう
と推測していました。
実際の専門家コンセンサス(58.20%)より やや高めの見積もりです。
しかしもっと重要なのは 確信の強さです。
自分自身は 62.59% が “絶対にいる” と回答
専門家は 21.10% しか “絶対にいる” とは答えないだろう と予想
つまり参加者は、専門家は「弱めに」信じている、と誤解している。
これを研究チームは:
★ Conviction Intensity Gap(確信強度ギャップ)
と定義しました。
■ 5. 専門家コンセンサス(58.2%)を見せても信念はほぼ変わらない
調査中に参加者全員へ以下の数字を提示しました:
「専門家の58.20%が知的生命は存在すると答えている」
その後、もう一度「自己信念」と「社会信念」を測定。
■ 結果:
自己信念はほぼ変わらない(効果量 d = -0.11)→ “絶対に存在する” が少し減り、“おそらく存在する” が増えただけ
社会信念は少し上昇(d = 0.14)→ 「周りももっと信じているのかも」と微調整が起きた
つまり、
人の“宇宙人存在信念”は非常に硬く、専門家の数字ではほとんど揺らがない。
ということがわかりました。
■ 6. どんな心理特性の人が「存在する」と強く信じやすいのか?
回帰分析の結果、自己信念を最も強く予測した要因は:
UAP/UFOコンテンツ露出(最も強い)
人間中心主義の低さ(anthropocentrism の逆)
好奇心の強さ
公的機関への信頼の低さ
懐疑心の低さ
ただし、これらで説明できるのは 13.6% にとどまり、
信念の根っこは非常に個人的で、単純な心理尺度だけでは説明しきれない。
という示唆を残します。
■ 7. 中学生にもわかる要点まとめ
科学志向の高い層では95%が「宇宙人はいる」と信じていた
でも 「周りは半分くらいしか信じてない」と誤解していた
これが “Cosmic Closet(宇宙のクローゼット)”
専門家の数字(58.2%)を見ても、信念はほとんど変わらない
専門家は“弱めの確信”と誤解されていた(確信強度ギャップ)
人はもともと宇宙の生命について強い信念を持ちやすい
しかし「言いにくい空気」がその信念を隠している
■ 8. 読者のみなさまへ
今回の研究について、みなさまはどのようにお考えになりますか?
「宇宙に知的生命はいると思う?」
「周りの人はどう考えていると思う?」
ぜひご意見やご感想をコメントでお聞かせください。
■ 9. 情報源クレジット
Omer Eldadi(ライヒマン大学)
Gershon Tenenbaum(ライヒマン大学)
Avi Loeb(ハーバード大学)
2025年11月28日時点で Medium に全文公開されている研究であり、査読付きジャーナルへの投稿準備中です。
ACIMA WORLD NEWS は研究内容を正確に反映し、一次情報にもとづく報道を心がけています。




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