top of page
  • harusame

インドネシア食文化 Part2

更新日:2022年6月28日

(前回の続き)


お祝い事には黄色いお米!


独立記念日や誕生日、結婚式などお祝い事の際には、ナシ・トゥンペンという料理を食べます。

ナシ・クニン(ターメリックとココナッツミルクで炊いた黄色いお米)を円錐形に盛り付け、周りにいろいろなおかずを置きます。

円錐形に盛り付けることで火山を模し、神様への感謝を表しています。

とはいえ、決まりはありませんので、画像検索をしてみるとハート型、ハローキティ型、ウエディングケーキ型などさまざまなナシ・トゥンペンを見ることができます。

黄色は、インドネシアでは幸運の象徴の色ですから、とても縁起の良い食べ物だと考えられています。

日本でいうお赤飯のようなものでしょう。

また、おかずにも決まりがあり、肉、魚、卵、野菜のうち少なくとも一つが含まれていなくてはなりません。

豊作や子沢山、長寿などを祈願する意味合いがあり、日本のおせち料理と似ています。





疲れたときには甘いもの!インドネシアスイーツ


ジャカルタの屋台で売られているスイーツに、クエアペがあります。

米粉、砂糖、ココナツミルク、卵、重曹をパリパリに焼いたクレープのようなものです。

見た目はUFOのような感じで、円盤型をしています。

真ん中がぷっくりと盛り上がっていて、この真ん中部分のもちもち感と、端の部分のカリカリ感がおもしろい食感を導きます。

パンダンリーフという葉っぱで色付けされていて、抹茶のような緑色になっています。ほのかな甘みのある、素朴なお菓子です。

もう一つインドネシアで人気なのが、マルタバです。

マルタバには、しょっぱいものと甘いものの二つがあります。

しょっぱいほうは、マルタバ・テルールやマルタバ・アシンと呼ばれ、小麦粉の生地にひき肉、卵、野菜などを挟んでパリッと揚げたもの。

餃子やパイのような食感です。

甘いほうは、マルタバ・マニスと呼ばれ、パンケーキのようなお菓子になります。

チョコレート、チーズ、ナッツなどを挟んで焼くことが多く、日本でいうと今川焼きに似ています。



断食のときには何を食べる?


イスラム教徒の多いインドネシアですから、ラマダン(断食月)の習慣があります。

ラマダンのときには、およそ1カ月間、あたりが白み始めるころから日の入りまでの飲食が禁じられます。

ラマダンは宗教上の義務であり、修行だとされています。

この時期、イスラム教の人々は夜が明ける前に起き出して食事をし、二度寝をします。

そして朝起きたらそれぞれ仕事や学校に出かけていきます。

会社も学校も、ラマダンの時期は時間が短縮されていることがほとんどです。

そして、日が沈むとその日のラマダンは終了となります。

空っぽの胃にいきなり食べ物を入れると負担になりますから、人々はまず喉の乾きを癒やします。

水のほかにも甘い飲み物が人気で、甘いココナッツミルクにキャッサバやバナナを入れた、コラックと呼ばれるものがよく食べられます。

その後、家族や友人、親戚とともにイフタールと呼ばれる夕食をとります。

これが、この日初めての食事となりますので、ついつい食べすぎてしまう人もいるようです。

ラマダンのとき、夜間は気兼ねなく食事を取れる唯一の機会となりますから、夜明けまでの時間をすべて食事に費やす人も少なくありません。

ラマダンの時期にもかかわらず、なぜか食費も体重も増えてしまうという不思議な事態となることもあるのです。

ようやく1カ月のラマダンが終わると、レバランというお祭りが始まります。

企業も有給休暇にすることが奨励され、10日を超える連休となることも珍しくありません。

レバランの際には「アッラー・アクバル(神は偉大なり)」と言いながらみんなで行進する、タクラビンという行事も催されます。





ジャワ島、バリ島、スマトラ島などで有名なインドネシア。

今回は、そのインドネシアの食文化をご紹介してまいりましたが、いかがでしたか? 

ココナッツミルクやバナナの葉、サゴヤシなど耳慣れない食材も出てきましたが、お米が主食であったり、お祝い事に欠かせないお米料理があったりと、日本との共通点も多かったのではないでしょうか。


このコラムからインドネシアへの親近感を持っていただけたら幸いです。

bottom of page