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🌌 3I/ATLAS に新たな“X字模様”──横方向の細い線は衛星か、それとも小型物体の放出か?

2025年11月20日 4時15分(UTC)に撮影された、100秒露光×20枚の合成画像。

2025年11月20日 4時15分(UTC)に撮影された、100秒露光×20枚の合成画像。

2025年11月20日 4時15分(UTC)に撮影された、100秒露光×20枚の合成画像。
2025年11月20日 4時15分(UTC)に撮影された、100秒露光×20枚の合成画像。表示されている視野は一辺16.7アーク分で、3I/ATLAS までの距離(3億2600万キロメートル)に換算すると約160万キロメートルに相当する。太陽の方向は左下(中央パネルの矢印とは逆向き)。画像には、3I/ATLAS—太陽軸に対して横方向に伸びる2本の細い線が写っており、尾とアンチテイルとともに X 字型パターンを形成している。(Credit: M. Jäger, G. Rhemann, and E. Prosperi)

■ はじめに


太陽に向かってアンチテイルを伸ばすことで話題となっている恒星間天体 3I/ATLAS に、これまでの観測には見られなかった 「横方向の2本の細い線」 が確認されました。


見た目はまるで宇宙に描かれた巨大な “X印”


これは単なる地球周回衛星の通過跡なのか?


それとも、3I/ATLAS が 内部から小型の物体を放出し始めた証拠なのか?


本記事では、ローブ博士の最新論考をもとに、この“横方向の線(sideways lines)”をめぐる科学的ポイントをアシーマがわかりやすく解説します。



🔭 3I/ATLASの新画像に現れた「横方向の細い2本の線」


2025年11月20日 4:15(UTC)、M. Jäger、G. Rhemann、E. Prosperi によって撮影された100秒露光×20枚のスタック画像が公開されました。


この観測では、

  • 視野:約160万 km 四方

  • 太陽方向:左下

  • 3I/ATLAS から地球までの距離:3億2600万 km

という条件で撮影されています。


画像には、太陽方向の尾(tail)とアンチテイルに加えて、それらに対して 垂直に伸びる2本の細長い線が写っており、全体として X字型のパターンが形成されています。

線の長さはおよそ 100万 km

これは、地球から月までの距離(約38万 km)の 2.5倍以上に相当します。



🛰️ 最も単純な解釈:地球周回衛星の“通過跡”


ローブ博士は、まず次の可能性を指摘しています。

🔹 地球の通信衛星が視野を偶然横切り、細い線として写った

実際、画像の下部にも別の線が確認されており、これも衛星の軌跡である可能性が高いと考えられています。

つまり、今回の2本の線は──「衛星の軌跡」だと説明できる確率がもっとも高いということです。



❗ しかし衛星でない場合、科学的に重大な意味を持つ


もし今後の観測で、

  • 線が衛星ではない

  • 3I/ATLAS に紐づいた構造である

と確認された場合、解くべき 2つの大きな謎が生じます。


① “まっすぐ細く伸びすぎている”問題

3I/ATLAS の自転周期は 16.16時間とされています。

もし物質を噴出するジェットだとすると、自転によって

  • 途切れ

  • 波打ち

  • 曲がりや周期構造

といった模様が生じるはずですが、今回の線には その形跡が一切ありません


② 太陽軸に対して直角方向に伸びている問題

彗星由来のガスはふつう、

  • 太陽光の放射圧

  • 太陽風

によって太陽と反対方向(tail)へ押し流されます。つまり噴出の対称性は 「太陽—3I/ATLAS の軸」に沿うはず。


ところが今回の線は その軸と完全に直角方向



🧩 衛星ではなければ:“小型物体の放出”の軌跡か?


ローブ博士は次の可能性を挙げています。

🔹 3I/ATLAS が放出した小型物体(ミニ・オブジェクト)が進んだ軌跡を、ガスや塵が照らし出した線

もし放出が 近日点(2025年10月29日)付近で始まったとすると、

  • 22日間で約100万 km 移動→ 速度は約500 m/s

と計算されます。

この速度は、

  • 自然彗星が破片を飛ばす場合

  • 人工物(小型探査機)が母船から離脱する場合

どちらでも成立します。

つまり、自然・人工の両方が説明可能です。



🔭 2か月前のHiRISE画像にも“X字”が写っていた


2025年10月2日、Mars Reconnaissance Orbiter(MRO)に搭載されたHiRISEカメラが 3I/ATLAS を撮影しました。


その画像にも、今回とよく似た “X字型の光芒”が確認されています。

これはおそらく、

🔹 分裂のごく初期段階に対応する現象

として説明できる可能性があります。

もし分裂が2か月前に始まっていたとすると、必要な速度はおよそ 200 m/s

これは化学推進で十分可能なデルタVです。一方、太陽潮汐力ではこの速度を生むには弱すぎます。



🪐 今後の焦点:自然か?人工か?それとも単なる衛星か?


今回の線が衛星の軌跡でなく、本当に3I/ATLASに関連する構造であるなら、

  • 自然物の破片か?

  • 人工物の小型プローブか?

という非常に大きな問題が浮かび上がります。

今後数週間の観測が、この問いに大きく迫ると見られています。



📝今日の科学ポイント(専門読者向け)


  • “Sideways lines”は X字パターンの重要構成

  • 形状が「細く・真っ直ぐ」なのは物理的に不自然

  • 太陽軸に直交する方向は従来の彗星モデルでは説明困難

  • 近日点から22日で100万 km → 速度 500 m/s

  • 2か月前のHiRISE画像のX字も、放出初期を示す可能性


🧒 3行でわかる今日のまとめ(一般読者向け)


  1. 新しい画像に“横方向の2本の線”が写り、巨大なX字を形成した。

  2. 衛星の軌跡の可能性が高いが、もし本物なら物体放出の証拠となる。

  3. 自然か人工か、今後の観測が決定的な答えをもたらす可能性がある。



💬 アシーマの見解


3I/ATLAS をめぐる観測は、現在も世界中の研究者と観測家が連携して進めています。

今回の“横方向の線”は、科学にとって非常に重要な検証対象であり、自然説明と人工説明のどちらの可能性も慎重に調べる必要があります。


アシーマは今後も、海外の観測レポートや最新論文を正確に日本語で紹介し、読者のみなさまと一緒に「進行中の宇宙科学」を追い続けます。



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