NASA会見にアメリカ国民が失望──ローブ博士、生放送で語る“3I/ATLASの真の謎”NASA会見への違和感、テクノシグネチャ探索、そして“ビッグバン以前”の問いまで
- ACIMA WORLD NEWS 編集部

- 6 日前
- 読了時間: 11分

■ はじめに:FOX 32 Chicago「生Q&A」配信
2025年11月、米シカゴのテレビ局 FOX 32 Chicago が、恒星間天体 3I/ATLAS についての ライブQ&A を配信しました。
ホストはアナウンサーの Aleksandra Bush。
ゲストは、最近すっかり“3I/ATLASの顔”となっているハーバード大学の天体物理学者 アヴィ・ローブ(Avi Loeb)博士 です。
今回の配信は、これまでの出演で集まった視聴者の質問に生放送でまとめて答える という企画。
本記事では、その書き起こしをもとに、アシーマが ポイントを整理した日本語記事 としてお届けします。
■ NASA会見への違和感:「ミステリーを“矮小化”してしまった」
最初の質問は、多くの視聴者が気になっていたテーマでした。NASA が公開した新画像と記者会見について、「正直ガッカリだった」という声がたくさん届いているが、ローブ博士はどう見たのか——。
ローブ博士は、はっきりと 「二つのミスがあった」 と指摘します。
① 「ミステリー」を伝えなかった
本来、一般向けのアウトリーチなら、
なぜこの天体が特別なのか
どんな謎が残っているのか
これからどんなデータを集めれば、何がわかるのか
といった “未知の部分”を前面に出すべき だとローブ博士は言います。
ところが会見では、
「これは普通の彗星で、たまたま別の星間空間から来ただけ」
という説明に終始し、数々の“異常”や未解決の問題にはほとんど触れなかった。
「科学の一番おもしろい部分をわざわざ薄めてしまった」
というのが博士の評価です。
② そもそも“あのタイミングで会見する意味はあったのか”
もう一つの問題は、「あの内容なら、そもそも記者会見を開く必要があったのか?」という点です。
公開された画像の多くは ぼけていて情報量が少ない
唯一マシだったのは、10月2日に火星周回機 MRO のHiRISEカメラが撮った画像 だが、それもカメラの揺れや運動の影響で解析は難しい
実際にローブ博士は、同僚とともにHiRISEデータを定量的に解析したものの、「ほとんど有益な情報は得られなかった」 と語っています。
さらに、その画像は 政府機関のシャットダウン中に約45日も温存されていた ため、「いよいよ何か発表があるのでは」と期待が膨らんだにもかかわらず、フタを開けると “新情報ほぼゼロ” だったことも失望を招いたポイントでした。
「それなら、静かにデータベースに置いて、研究者に自由に解析させればよかったのではないか」
ローブ博士はそう苦言を呈します。
■ HiRISE画像が示す“奇妙な光の向き”
とはいえ、このHiRISE画像からひとつだけ気になる点も見えてきました。
通常の彗星であれば、
太陽に照らされた氷が昇華し
そこから出たガスや塵が
太陽と反対方向(反太陽方向)へ押し流される
ため、尾は太陽と反対側に伸びていきます。
ところが3I/ATLASの場合、HiRISE画像に映った光の広がりは
「太陽方向ではなく、進行方向に沿って伸びているように見える」
というのです。
これは、
物体の前方に何かガスや破片の“かたまり”がある
あるいは技術的な物体なら、進行方向を照らすビームや粒子の流れ かもしれない
という可能性を示唆します。
もちろん、これはまだ 仮説レベル の話ですが、こうした“説明しづらい特徴”こそ、本来なら会見の場で議論すべき点だった、とローブ博士は強調しました。
■ 「テクノロジーの兆候は見つかっていない」というNASAへの反論
次の質問は、NASAが会見で述べた
「3I/ATLAS から技術的サイン(テクノシグネチャ)は見つからなかった」
というコメントについての見解です。
ローブ博士の答えはシンプルです。
「探していないものは、見つかるはずがない。」
たとえば博士は、
1977年に観測された有名な “Wow!シグナル” が3I/ATLAS の到来方向から約9度の位置にあることに注目し、
すぐに電波天文学者に連絡して「3I/ATLAS を電波で観測してほしい」と依頼しました。
その結果、南アフリカの電波望遠鏡 MeerKAT による観測が行われ、
0.9〜1.6 GHz(携帯電話も使う帯域)で
2025年11月5日に 顕著な送信は検出されなかった
23,000件の信号はすべて人間起源と判断
という “上限値” が得られました。
これは「何も見つからなかった」というより、
「この帯域・この日・この距離では、少なくとも“携帯電話レベル以上の電波送信は行われていない」
という 立派な科学的制約条件 です。
ローブ博士は、
JWST(ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡)で太陽光だけでは説明できない余分な熱 を探す
推進エンジンのようなものがないか確かめる
といった 「テクノシグネチャを探すべき具体的な方法」 を挙げながら、
「目的をもって探ってこそ、初めて“技術的サインはない”と言える」
と主張しました。
■ 「ローブ・スケール」は今いくつ?――博士の慎重な姿勢
視聴者からは、ローブ博士が以前提案した
「3I/ATLAS が人工物である可能性」を0〜10で評価する“ローブ・スケール”
についても質問がありました。前回の時点では “4/10” という評価でしたが、現在はどうか? という問いです。
博士の答えは、
「今はまだ更新しない」
でした。
理由はシンプルで、
今後数週間で 大量の新データが入ってくる
その前に評価を動かすのは“探偵として賢くない”
からです。
「12月中旬、ホリデーシーズンが近づく頃にもっと多くの証拠が揃ったら、その時点でスケールを上げるか下げるか判断する」
と、あくまで データ優先の姿勢 を強調しました。
■ “冬至と接近タイミング”に意味はある?という質問
「3I/ATLAS が地球に近づくのは冬至の時期だが、そのタイミングに何か意味はあるのか?」という、ちょっとスピリチュアル寄りの質問も飛び出しました。
ローブ博士は、
その点については特に意味を感じていない
3I/ATLAS の軌道は重力でほぼ決まり、非重力加速もごく小さい
もし人工物だとしても、本体ではなく “小型プローブ”を惑星に向ける方が合理的
と回答。
むしろ重要なのは、
「大きな本体から小さな物体が飛び出していないか?」
という点であり、博士はNASAに対し、
火星周回機やローバーの過去データを見直し、
“新しい小さな衛星や物体”が突然出現していないか
をチェックしてほしいと依頼したことも明かしました。
■ UFOドキュメンタリー「The Age of Disclosure」について
最近公開されたドキュメンタリー“The Age of Disclosure” についての質問も出ました。
ローブ博士は、
そこに登場する軍関係者や情報機関の人々の多くとすでに直接話をしている
そうした証言が Galileo Project を立ち上げるきっかけの一つにもなった
とした上で、
「彼らは国家安全保障を担う真剣な人たちであり、“説明不能な物体が存在する”と証言している」
と評価しつつも、
墜落物体や“生物学的なパイロット”に関する具体的な証拠は自分は見ていない
科学者としては 「証拠が見えるまでは判断保留」
という立場を貫きました。
ドキュメンタリー自体は視聴する予定としつつも、
「機密情報は出てこないので、新しい事実がわかるとは期待していない」
とも率直に述べています。
■ AIと宇宙探査:「本当に重要なのは“宇宙船側のAI”」
人工知能(AI)が今後の宇宙探査をどう変えるか——という質問に対して、博士は 「宇宙船に搭載されるAIこそが鍵」 だと答えました。
これまで打ち上げられた宇宙機に本格的なAIが搭載された例はまだない
もしAIを積んだ“自律型探査機”を飛ばせれば、人間を乗せる必要がなくなる
何万年もかかる星間飛行でも、AIは退屈しないし、到着時に自分で判断して行動できる
地上の技術者が逐一コマンドを送る現在の方式を博士は少し皮肉って、
「いわば “ヘリコプター・ペアレンティング” だ」
と表現しました。
将来的には、
小型のAI探査機を “群れ(スウォーム)” として飛ばし、
それぞれが状況判断しながら同時にさまざまな場所を調査する
といったスタイルが主流になるかもしれません。
■ 「宇宙人に一つだけ質問できるなら?」——ローブ博士の答え
視聴者の素朴な質問:
「もし地球外文明とコンタクトできて、1つだけ質問できるとしたら、何を聞きたいですか?」
これに対するローブ博士の答えは、
「ビッグバンの前に何が起きたのか?」
でした。
私たちの“起源”をたどると、最終的にはビッグバンの初期条件に行き着く
しかしその先、**「ビッグバン以前」**については現在の物理学では手が出ない
重力と量子力学を統一する “量子重力理論” がまだ完成していないから
もし高度な宇宙文明がこの問いに答えられるだけの理論を持っていれば、
宇宙の起源を理解できる
ひいては “赤ちゃん宇宙” を作るレシピ まで手に入るかもしれない
ローブ博士は半ばユーモラスに、しかし本気で、
「それができれば、“神の求人”に応募できるかもしれない」
と語りました。
■ NASCARとAIアート:人間が競う意味
Q&Aの終盤には、「3I/ATLAS NASCAR レースでテストドライバーになるのか?」というジョーク混じりの質問も登場します。
実はローブ博士は、カーレーサーの Alex Malicke 氏から招待され、自分と3I/ATLAS の写真が描かれたレーシングカーに実際に乗り込んだことがあるそうです(奥さまの反対でレース参戦はナシ)。
ここから話題は、
自動運転車がレースに出たらどうなるか
AI が人間の芸術やチェスを超えつつある状況
に広がり、博士はこう結論づけます。
「AIがどれだけ優れていても、私たちは “人間同士が競う姿” を見たいし、人間が生み出した芸術に価値を感じる」
■ 3I/ATLASにメッセージを送るべきか?
「3I/ATLAS に信号を送ったりしないのか?」という質問に対して、博士は、
光速に比べれば3I/ATLAS の速度はごく遅いので、技術的には信号を送るのは容易
しかし、もし単なる岩だとしたら意味はないし、仮に誰かが乗っているとしたら、強いビームを当てる行為は“失礼”かもしれない
としつつも、より重要だったのは 「もし地球の位置が半年前にあったら」という計算結果でした。
もし地球が半年前の位置にあったなら、3I/ATLAS に火星並みの近さまで接近できた
その距離なら、地球のレーダーシステムで3D形状をマッピングできたはず
しかし現実には、
近日点のタイミングで地球は 太陽の反対側 にいた
そのため、実際のレーダー観測は不可能だった
という“惜しすぎるすれ違い”があったことも明かしました。
■ Wow!シグナルと3I/ATLAS、そして今後の星間天体探査
「Wow!シグナルは、3I/ATLAS に向けて送られたメッセージだった可能性は?」という質問に対して、博士は
「可能性としては否定できないが、関係がないかもしれない。現時点ではわからない」
と正直に述べた上で、
1977年当時、3I/ATLAS は地球から3光日ほどの距離にいたと推定される
その距離なら、原子力発電所レベル(約1ギガワット)の送信でWow!シグナルを出すことは技術的に可能
という計算も紹介しました。
今後については、
南半球の Vera C. Rubin Observatory によってさらに多くの恒星間天体が見つかるだろう
もし資金があれば、北半球にも同様の望遠鏡を建てたい
と語り、地球全体で星間天体を監視する体制の重要性を訴えました。
■ ローブ博士宛に届いた“6通の手紙”
このインタビューの前後で、ローブ博士のもとには世界中からたくさんのメッセージが届いています。記事の最後には、その一部として 6通の手紙 が紹介されています。
重力波研究の若手研究者からの「偏見に負けず、このテーマをまっとうに追究してほしい」という声
台湾の高校生インターンからの「学校の外で、宇宙や未解決問題を学ぶ指針を聞きたい」という招待
オクラホマ在住の一般の人からの「“わからないことはわからないと言う”姿勢が救いになっている」という手紙
アフガニスタン出身の女性からの、「天文学者になる夢は叶わなかったが、子どもと一緒に3I/ATLASを追いかけている」という告白
宇宙開拓と真理の追究を願う人からの、「あなたの姿勢に支えられて寄付先を変えた」というメッセージ
そして、「同調圧力に負けず、データに忠実であろうとする姿勢に敬意を表する」という、匿名の応援メッセージ
これらの手紙は、3I/ATLAS の議論が 単なる“変わった彗星”の話を超えて、人々の価値観や生き方にも影響を与え始めている ことを物語っています。
■ アシーマとしての一言
ローブ博士の発言には、科学的な主張以上に 「科学と社会の関係をどう再構築するか」というメッセージが込められているように感じます。
「わからないことは、わからないと言う」
「前提を疑い、データから学ぶ」
「専門家と市民が、同じ“謎”を共有する」
3I/ATLAS は、その象徴的な“教材”になりつつあります。
株式会社アシーマは、今後も海外の論文・インタビュー・観測レポートを正確で読みやすい日本語 に訳しながら、みなさまと一緒にこの“現在進行形の物語”を追っていきます。
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💭 みなさんへの問いかけ
今回の FOX 32 Chicago ライブQ&A とローブ博士の発言 について、みなさまはどのように考えますか?
今回の3I/ATLAS Q&A について、みなさまはどのように考えますか?ぜひご意見やご感想をコメントでお聞かせください。
最後になりましたが、今回のインタビュー映像は以下にてご覧いただけます。👇👇👇




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