【観測ガイド】3I/ATLASを日本で見るならいつ?――12月19日、失敗しないための現実的なアドバイス
- ACIMA WORLD NEWS 編集部

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ACIMA WORLD NEWS 編集部
2025年12月17日

恒星間天体 3I/ATLAS は、現在世界中の天文学者が追跡している注目の天体です。12月19日前後、日本からも観測できる可能性があります。
ただし最初に、誤解のないように正直にお伝えします。
3I/ATLASは、気軽に夜空を見上げて見える天体ではありません。
それでも観測に挑戦する価値がある理由と、挑戦するなら知っておいてほしい現実的なポイントを、まとめましたので、もしチャレンジする方がいらしたら参考になれば幸いです。
■ 日本で最も条件が良い時間帯
日本(関東付近)で 最も観測条件が良いのは、次の時間帯です。
12月19日深夜〜20日未明午前4:00〜5:10ごろ(ピークは4:20〜4:50)
この時間帯は、
天体の高度が最も高くなる
大気の揺らぎの影響が最小
天文薄明が始まる直前
という、観測にとって最良の条件が重なります。
■ 「3時から見える」は本当か?
一部では「午前3時頃から観測可能」と言われていますが、これは “見える可能性が出始める” という意味に近い表現です。
最適な時間帯とは別です。
できる限り成功率を上げたい場合は、午前4時以降に狙いを絞ることをおすすめします。
■ 月明かりはないが、簡単ではない
12月20日は新月です。そのため、19日の夜空は 月明かりの影響をほぼ受けません。
これは確かに好条件です。
しかし、
予想等級は 約11等級前後(変動あり、最近は暗め)
肉眼では見えません
双眼鏡でも かなり厳しい
という点は変わりません。
→ 空が暗い=簡単に見える、ではありません。
■ 現実的な観測機材の目安
❌ 期待しすぎないほうがいいもの
肉眼
小型双眼鏡(7×50、10×50 など)
✅ 現実的な選択肢
口径15cm以上の天体望遠鏡
またはカメラ+赤道儀による長時間露光
写真では、恒星のような点、あるいは淡いにじみとして写る可能性があります。
派手な尾や肉眼彗星を想像すると、ほぼ確実に期待外れになります。
■ 探し方で一番大切なこと
星座名や明るい星だけを頼りに探すのは、正直おすすめできません。
理由は明確です。
3I/ATLASは日々位置が変わる
見た目は恒星とほぼ同じ
尾は視覚的に分かりにくい
→ 星図アプリの使用は必須です。
推奨方法
Stellarium、SkySafari などで「3I/ATLAS」または「C/2025 N1」 を検索
観測地と時刻を正確に設定
望遠鏡の導入に使用
■ 見えなくても「失敗」ではない
3I/ATLASは、
明るさを楽しむ天体ではありません
見栄えを競う対象でもありません
人類が観測している恒星間天体であること自体が価値です。
仮に、
はっきり見えなかった
写真に淡くしか写らなかった
としても、それは失敗ではありません。
同じ夜、世界中の研究者と望遠鏡が同じ天体を追っています。
絶対に無理はしないでください。
■ 安全面と体調面の注意
深夜〜明け方の冷え込みは想像以上ですので、カイロなどをたくさん活用してください。
防寒対策は十分にしてください。
人の少ない場所では 安全最優先でお願いします。決して無理をされないでください。
■ まとめ
ベスト時間:午前4:00〜5:10
肉眼不可、双眼鏡も厳しい
星図アプリ必須
期待値を下げ、理解度を上げる
観測に参加すること自体に意味がある




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