太陽に向いた回転軸という異常:3I/ATLASで見つかった第14の偶然とは
- ACIMA WORLD NEWS 編集部

- 2025年12月17日
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ACIMA WORLD NEWS 編集部
2025年12月17日
3I/ATLASの回転軸が太陽方向とほぼ一致:確率0.5%が示す、前例のない幾何学的異常

恒星間天体 3I/ATLAS をめぐる観測から、これまでに報告されてきた13の異常に加え、新たな「第14の異常」が浮上しました。アヴィ・ローブ博士が公開した最新分析によると、3I/ATLASの回転軸が、太陽方向とほぼ一致していた可能性が示されたのです。
この配置は、近日点通過前の大きな太陽距離において確認されたもので、確率的に極めて起こりにくい状況にあります。
■ 7.74時間周期のウォブルが示す幾何学
2025年7〜8月に観測されたアンチテイル(反太陽尾)の周期的ウォブルは、ジェットの噴出口が天体核の回転軸に対応する極から8度以内に位置していることを示唆しています。
核が回転するにつれ、ジェットは回転軸の周囲を円錐状に歳差運動します。この挙動から、3I/ATLASは太陽から遠い距離では、安定した昼側と夜側を持ち、近日点付近でその役割が入れ替わるような回転幾何を持っていると考えられます。
■ 「第14の異常」となる理由
もしアンチテイルが、太陽光を受けて昇華する氷のポケットという自然起源によるものである場合、回転軸が太陽方向と8度以内に揃う確率はわずか0.005(0.5%)に過ぎません。
この特殊な整列がなければ、アンチテイルは回転軸に対してより大きな角度を持ち、観測されたよりもはるかに大きな揺れや、活動の断続的な停止が見られたはずです。
この点が、ローブ博士が「第14の異常」と位置づける理由です。
■ 近日点通過後も続く不可解な現象
さらに注目すべきは、2025年10月29日の近日点通過後の挙動です。
ハッブル宇宙望遠鏡および地上望遠鏡の観測によって、3I/ATLASは太陽から遠ざかっている現在も、太陽方向に明瞭なアンチテイルを維持していることが確認されました。
しかし、近日点通過前にジェットを放出していた噴出口は、現在では天体の夜側に位置しているはずです。
彗星として解釈するためには、
回転軸の反対側の極付近に新たな氷ポケットが存在する
近日点前に活動していた噴出口が、通過後に急速に休止する
という条件が同時に必要となり、これ自体がさらなる異常を意味します。

■ 確率は「二乗」される
最新の観測では、近日点通過後のアンチテイルも、回転軸および太陽方向から8度以内という高い指向性を保ったまま、50万km(地球と月の距離を超える)にわたって細くコリメートされています。
これは、
近日点前
近日点後
の双方で、回転極付近に活動源が存在することを意味します。
確率的には、0.005 × 0.005 = 0.000025(0.0025%)という、極めて小さな値になります。
■ 技術的可能性と今後の課題
ローブ博士は、技術的な宇宙機であれば、太陽方向に噴射流を向ける合理的理由があり得ると指摘しています。
また、近日点通過後にもかかわらず、
太陽放射圧
太陽風
によって拡散・偏向されることなく、アンチテイルが長距離にわたって高い指向性を保っている点も、新たな疑問を投げかけます。
今後予定されている分光観測によって、アンチテイルを構成する物質や噴出メカニズムが明らかになることが期待されています。
■ 回転周期と重力の観点から
アンチテイルのウォブル周期 7.74±0.35時間 は、天体核の回転周期が 約15.5時間である可能性を示唆します。
半径2kmの天体がこの周期で回転した場合、表面に生じる遠心加速度は、地球重力の約260万分の1に過ぎません。
人工重力と同程度の1Gを生むには、回転周期を約1.5分まで短縮する必要があります。
■ 結論(現時点)
3I/ATLASでは、
回転軸と太陽方向の極端な整列
近日点前後で持続する高指向性アンチテイル
極めて低い確率が重なる幾何学条件
が同時に観測されています。
これらがすべて自然起源で説明できるのか、あるいは別の解釈を必要とするのか。
結論はまだ出ていません。
しかし、3I/ATLASが前例のないデータを提供し続けている存在であることは確かです。




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