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なぜ反太陽尾はここまで細いのか:3I/ATLASで浮上した「第15の異常」

ACIMA WORLD NEWS 編集部

2025年12月18日



太陽方向に向いたアンチテイルが、50万km先まで拡散しない理由

自然彗星では説明が難しい新たな謎


3I/ATLAS の太陽方向(左下)に向かって伸びる、強くコリメートされたアンチテイル・ジェットの画像です
恒星間天体 3I/ATLAS の太陽方向(左下)に向かって伸びる、強くコリメートされたアンチテイル・ジェットの画像です。2025年12月15日(上)および12月9日(中)の画像は Toni Scarmato 氏が、12月13日(下)の画像は Teerasak Thaluang 氏が、ラーソン=セカニナ勾配フィルターで処理したものです。


恒星間天体 3I/ATLAS をめぐる観測から、また新たな疑問が浮上しました。


これまで注目されてきた「回転軸と太陽方向の異常な整列(第14の異常)」に続き、反太陽尾(アンチテイル)が極めて細く保たれていることが、「第15の異常」として議論されています。


アヴィ・ローブ博士の最新記事は、この一点に焦点を当てています。



■ 50万km先まで、ほとんど広がらない3I/ATLASの反太陽尾


最新の観測画像では、3I/ATLASのアンチテイルは、

  • 開き角 約6〜8度

  • 距離 約50万km(地球と月の距離以上)

というスケールで、ほぼ一直線に保たれています


通常、ガスや塵が噴出すれば、距離とともに拡散するのが自然です。

それにもかかわらず、3I/ATLASの反太陽尾は、「細く、長く、崩れない」状態を維持しています。



■ 近日点前後で同じ現象が起きている


この不可解さをさらに強めているのは、この現象が、

  • 近日点前

  • 近日点後

両方で観測されている点です。

回転軸の整列だけでも確率は低いとされていましたが、その両極付近から、同じように強くコリメートされたジェットが出ているとなると、自然彗星としての説明は一層難しくなります。

ローブ博士は、この点を「自然起源の彗星であれば、第15の異常に相当する」と位置づけています。



■ 自然現象で説明できるのか?


ローブ博士の共同研究者である エリック・ケト博士 は、

「近日点前のアンチテイルは回転軸近くのジェットが、たまたま太陽方向と揃った可能性がある」との慎重な見方を示します。


しかし、これでも説明が難しい点があります。


ジェットは、

  • 幅の 約10倍以上の長さ

  • 実質的に「銃身」のような構造

を持つ必要があるからです。



■ 「自然彗星の反太陽尾」はそもそも細くならない


フランク・ラウキーン博士は、さらに根本的な問題を指摘しています。


通常の彗星の尾(太陽と反対方向の尾)は、

  • 太陽が点光源のように働き

  • 太陽風と放射圧によって

  • 自然に細く絞られる

ことがあります。


しかし 反太陽尾の場合、

  • 氷が昇華すれば半球状(2π立体角)に噴き出す

  • 特定方向にだけ強く絞られる理由がない

という物理的な問題があります。



■ 仮説としての「技術的可能性」


ローブ博士は、これらを踏まえた上であくまで仮説として、以下の技術的解釈の可能性にも言及しています。


  • 推進用(可能性は低い)

  • 武器(近日点後では意味が薄い)

  • 太陽風や放射から身を守るための指向性シールド


重要なのは、断定ではなく「説明がつかない事実が積み重なっている」という点です。



■ 確率を掛け合わせると「40億分の1」


NASAはこれまで、

「3I/ATLASは、異なる誕生環境を持つ彗星で説明できる」

としています。


しかしローブ博士は、幾何学的な偶然をすべて掛け合わせると、

  • 軌道と黄道面の整列

  • 回転軸と太陽方向の整列

  • 両極からの強いコリメートジェット


これらが同時に起きる確率は、約40億分の1になると指摘します。



■ 問われているのは「結論」ではなく「姿勢」


この記事の最後でローブ博士は、2つの問いを投げかけています。


  1. 3I/ATLASとは何なのか?

  2. なぜ一部の専門家は、この問い自体を避けるのか?


重要なのは、「技術的起源かどうか」を即断することではなく、説明が難しい現象に、どこまで真剣に向き合うのかです。


これこそが、今回の議論の核心です。

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