なぜ反太陽尾はここまで細いのか:3I/ATLASで浮上した「第15の異常」
- ACIMA WORLD NEWS 編集部

- 2025年12月18日
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ACIMA WORLD NEWS 編集部
2025年12月18日
太陽方向に向いたアンチテイルが、50万km先まで拡散しない理由
自然彗星では説明が難しい新たな謎

恒星間天体 3I/ATLAS をめぐる観測から、また新たな疑問が浮上しました。
これまで注目されてきた「回転軸と太陽方向の異常な整列(第14の異常)」に続き、反太陽尾(アンチテイル)が極めて細く保たれていることが、「第15の異常」として議論されています。
アヴィ・ローブ博士の最新記事は、この一点に焦点を当てています。
■ 50万km先まで、ほとんど広がらない3I/ATLASの反太陽尾
最新の観測画像では、3I/ATLASのアンチテイルは、
開き角 約6〜8度
距離 約50万km(地球と月の距離以上)
というスケールで、ほぼ一直線に保たれています。
通常、ガスや塵が噴出すれば、距離とともに拡散するのが自然です。
それにもかかわらず、3I/ATLASの反太陽尾は、「細く、長く、崩れない」状態を維持しています。
■ 近日点前後で同じ現象が起きている
この不可解さをさらに強めているのは、この現象が、
近日点前
近日点後
の両方で観測されている点です。
回転軸の整列だけでも確率は低いとされていましたが、その両極付近から、同じように強くコリメートされたジェットが出ているとなると、自然彗星としての説明は一層難しくなります。
ローブ博士は、この点を「自然起源の彗星であれば、第15の異常に相当する」と位置づけています。
■ 自然現象で説明できるのか?
ローブ博士の共同研究者である エリック・ケト博士 は、
「近日点前のアンチテイルは回転軸近くのジェットが、たまたま太陽方向と揃った可能性がある」との慎重な見方を示します。
しかし、これでも説明が難しい点があります。
ジェットは、
幅の 約10倍以上の長さ
実質的に「銃身」のような構造
を持つ必要があるからです。
■ 「自然彗星の反太陽尾」はそもそも細くならない
フランク・ラウキーン博士は、さらに根本的な問題を指摘しています。
通常の彗星の尾(太陽と反対方向の尾)は、
太陽が点光源のように働き
太陽風と放射圧によって
自然に細く絞られる
ことがあります。
しかし 反太陽尾の場合、
氷が昇華すれば半球状(2π立体角)に噴き出す
特定方向にだけ強く絞られる理由がない
という物理的な問題があります。
■ 仮説としての「技術的可能性」
ローブ博士は、これらを踏まえた上であくまで仮説として、以下の技術的解釈の可能性にも言及しています。
推進用(可能性は低い)
武器(近日点後では意味が薄い)
太陽風や放射から身を守るための指向性シールド
重要なのは、断定ではなく「説明がつかない事実が積み重なっている」という点です。
■ 確率を掛け合わせると「40億分の1」
NASAはこれまで、
「3I/ATLASは、異なる誕生環境を持つ彗星で説明できる」
としています。
しかしローブ博士は、幾何学的な偶然をすべて掛け合わせると、
軌道と黄道面の整列
回転軸と太陽方向の整列
両極からの強いコリメートジェット
これらが同時に起きる確率は、約40億分の1になると指摘します。
■ 問われているのは「結論」ではなく「姿勢」
この記事の最後でローブ博士は、2つの問いを投げかけています。
3I/ATLASとは何なのか?
なぜ一部の専門家は、この問い自体を避けるのか?
重要なのは、「技術的起源かどうか」を即断することではなく、説明が難しい現象に、どこまで真剣に向き合うのかです。
これこそが、今回の議論の核心です。




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