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サイバー攻撃で「どこに相談?」 日本政府が特設サイトを新設、個人と企業の窓口を案内

24 分前
読了時間: 6分

サイバー攻撃や個人情報漏洩のニュースを見て、「自分や会社が被害に遭ったら、どこに連絡すればいいのだろう」と感じたことはありませんか。

2026年10月30日、内閣官房の国家サイバー統括室(NCO)が、関係機関の相談先と注意喚起をまとめた「サイバー対応特設サイト」を公開しました。個人向けと事業者向けの情報が整理されており、必要な連絡先を探すための入口になっています。

大切なのは、これが新たなサイバー攻撃の発生や、すべての人に被害が迫っているという発表ではないことです。複数の機関に分かれていた情報を探しやすくし、必要なときに冷静に対応できるようにする取り組みです。

 

 

政府が10月30日に公開した「サイバー対応特設サイト」

 

国家サイバー統括室は10月30日、サイバーセキュリティに関する相談窓口、公式発表、注意喚起などをまとめた特設サイトの公開を案内しました。案内は公式Xでも行われ、今後も情報を随時更新するとしています。

特設サイトには、警察庁、経済産業省、情報処理推進機構(IPA)、個人情報保護委員会などの情報がまとめられています。いま自分が知りたいのが「予防対策」なのか「被害への相談」なのかによって、参照すべき情報が異なる点に注意しましょう。

 

 

個人と企業では、相談先が異なる

 

パソコンを前にノートにメモを書く人の資料写真。政府のサイバー対応特設サイトの画面や被害者を示すものではない。
パソコンを使いながらメモを取る人(2026年撮影の資料写真)。日本政府の相談サイトや実際の被害場面ではありません。Photo: Shixart1985 / Wikimedia Commons(CC BY 2.0)。画像出典:https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Person_writing_in_a_notebook_while_sitting_at_a_desk.jpg

個人が不審なメールを受け取った場合と、会社のシステムに不正アクセスが疑われる場合では、必要な支援が違います。

個人の場合:セキュリティの基本的な相談や漏洩情報への対処は、IPAの「情報セキュリティ安心相談窓口」などが案内されています。実際に金銭被害が生じているときは、銀行やカード会社、警察への相談も重要です。

企業・団体の場合:不正アクセスの発生や兆候があるときは、IPAが開設した「不正アクセス特別相談窓口」、警察のサイバー事案相談窓口などが候補になります。事業内容や保有情報によって、所管当局への連絡が必要な場合もあります。

行政機関の窓口はそれぞれ役割が違います。一つの窓口がすべての問題を調査・解決してくれると期待するのではなく、状況に合った相談先を確認することが大切です。

 

 

企業向けには先行して特別相談窓口も開設

 

IPAは10月16日、企業・組織向けの「不正アクセス特別相談窓口」を開設しています。対象は、実際に不正アクセスの被害を受けているか、その可能性がある企業・組織です。初動対応での助言や、必要に応じた相談・報告先の紹介などを案内しています。

経済産業省も10月27日、中小企業・小規模事業者向けのサイバーセキュリティ特別相談窓口を案内しました。中小企業でも、顧客情報や取引先とのやり取りがクラウド上にあることは珍しくありません。自社サーバーを持っていなくても、アカウントや委託先を含めた確認が必要です。

ただし、これらの窓口の開設は「国内の全企業がすでに侵害されている」という意味ではありません。困ったときに適切な支援につながるための仕組みです。

 

 

「情報が漏れた」という通知が来たら、まず公式サイトへ

 

サイバーセキュリティへの意識向上を目的とした2019年の資料イラスト。日本政府の公式サイト画面ではない。
サイバーセキュリティをテーマに制作された2019年の資料イラスト。日本政府の公式案内画面ではありません。Credit: Afsal CMK / OpenIDEO Cybersecurity Visuals Challenge / Wikimedia Commons(CC BY 4.0)。画像出典:https://commons.wikimedia.org/wiki/File:IDEO-CVC-2019-Afsal_CMK8.JPG

企業名や行政機関名を使った偽メール・偽SMSもあります。通知が届いたからといって、本文に書かれたリンクをすぐ開かないようにしましょう。

まず、ふだん使っている公式アプリや自分で確認した公式サイトにアクセスし、同じお知らせが掲載されているかを調べます。心配なら、通知に記載された番号ではなく、公式サイトに掲載されている問い合わせ先から確認してください。

漏洩した情報がパスワードなら変更や使い回しの見直し、カード情報ならカード会社への連絡など、必要な対応は漏れた情報の種類によって異なります。

この点は、10月29日の消費者庁による注意喚起や、10月26日のIPAの個人向け解説でも説明されています。

 

 

「政府のサイバー担当者」を名乗る連絡も信用しすぎない

 

国家サイバー統括室の公式サイトには、同室や旧組織NISCを名乗って金銭を要求する不審な電話についての注意喚起も掲載されています。

「政府の窓口です」「あなたの端末が危険です」と言われても、相手の指示だけで送金したり、遠隔操作アプリを入れたり、暗証番号を教えたりしないことが大切です。

本物の公的機関であるかどうかは、自分で公式サイトを調べて確認します。焦って手続きを進める必要はありません。

 

 

家族や小さな会社でも、準備できることがある

 

「何かが起きてから相談先を探す」のは、意外と時間がかかるものです。普段から次の点を確認しておくと、いざというときに迷いにくくなります。

・利用する銀行やカード会社の公式問い合わせ先を控えておく

・重要なアカウントに使い回しのないパスワードと多要素認証を設定する

・スマートフォンやパソコン、ブラウザーを更新する

・大切なファイルについて、クラウド以外も含めたバックアップ方法を確認する

・家族や職場で「不審な通知を受け取ったとき誰に相談するか」を決めておく

会社では、外部委託先やクラウドサービスの管理者連絡先も把握しておくと役立ちます。すべての対策を一度に完成させる必要はありません。

 

 

停電・通信障害への備えとは分けて考える

 

サイバー攻撃、停電、自然災害は同じものではありません。今回の特設サイトの開設も、停電や物資不足を予告する発表ではありません。

一方で、連絡手段や支払い手段が一時的に利用できなくなった場合に備えるという点では、日常の備蓄や防災対策に通じる部分もあります。

例えば、スマートフォンを充電しておく、家族の電話番号を紙でも控える、現金を少し用意する、飲料水や携帯トイレの備蓄量を確認する、といった準備です。

 

 

公的な一次情報は「保存先」を決めておく

 

特設サイトを含む政府機関の情報は、状況に応じて更新されます。ニュースのスクリーンショットやSNS投稿だけで判断せず、元の公式サイトで日付や内容を確かめましょう。

個人であれば、国家サイバー統括室とIPAのページをブックマークする。事業者なら、警察やIPAの相談先と合わせて、社内の緊急連絡先に記録しておく。こうした小さな準備が、必要な場面で役立ちます。

 

 

怖がるより、確認して備える

 

今回のニュースは、サイバー被害への不安を増やすためのものではありません。困ったときの公的な相談先を、政府が分かりやすくまとめたことに意味があります。

被害を防ぐ工夫と、被害が起きた場合の連絡方法は、どちらも備えの一部です。できることから一つずつ確認し、落ち着いて生活を続けられる環境を整えましょう。

大切なのは、怖がることではなく、正しい情報を確かめ、普段から備えておくことです。

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