日本政府、11月2日に備蓄の「緊急要請」へ 最低3日・できれば1週間、何を準備する?
日本政府が11月2日に、国民や自治体へ災害への備えを改めて呼びかける方針です。細野豪志防災担当大臣は、家庭で食料・水・携帯トイレを最低3日分、できれば1週間分用意するよう求める考えを、本人が出演したフジテレビの番組で示しました。
ただし、2026年10月29日時点で、この「緊急要請」はまだ発出されていません。11月2日に何かが必ず起きるという予告でも、差し迫ったサイバー攻撃を警告した発表でもありません。
【この記事の立場】SNSには、出典や根拠を示さないまま不安をあおる投稿もあります。しかし本記事は、そうした予言や恐怖を広げるためのものではありません。政府の公式発表、本人への直接取材、行政機関の防災・セキュリティ指針を照合し、「確認できた事実」「これから予定されること」「家庭でできる対策」を分けてお伝えします。
この記事は、英国政府による3日分の備蓄呼びかけと個人のサイバー対策を紹介した前回のAWN記事の続報です。今回は日本の動きと、家族の人数に応じた必要量を具体的に整理します。

11月2日に予定される「緊急要請」とは
細野大臣は、11月2日の防災庁発足に合わせ、全国の国民、都道府県や中央省庁などに災害への備えを求める方針を、10月26日のフジテレビ報道局による直接取材番組で説明しました。10月27日付のFNNの詳報には、家庭の食料・水・トイレを「最低3日、できれば1週間」用意してほしいという発言が掲載されています。
この内容は、大臣本人への直接取材を報じたFNNプライムオンラインの詳報に基づきます。番組映像の全発言を当編集部が独立に逐語照合したものではありません。
一方、10月27日の復興庁公式記者会見では、大臣自身が「11月2日に地方自治体へ備蓄の充実を緊急要請する予定」と説明しています。つまり「自治体への要請予定」は公式会見記録で直接確認でき、「国民への呼びかけ」と「最低3日・推奨1週間」という具体的な発言は大臣への直接取材で確認できる、という違いがあります。
確認先:復興庁・細野大臣10月27日記者会見録。現時点では正式要請そのものの内容は未公表のため、11月2日の公表後に更新情報を確認する必要があります。
これは「大規模攻撃が迫っている」という意味ではない
今回の備蓄要請は、南海トラフ地震や首都直下地震などの大規模自然災害を想定した事前防災の取り組みとして説明されています。政府が11月2日に災害や戦争が発生すると発表した事実は確認できません。
SNSで流れてきた投稿に「いよいよ始まる」「政府が知っている」といった断定的な表現があっても、発信者の推測と政府が実際に発表したことは別です。発表日・発言者・原文へのリンクが確認できない情報は、すぐに信じたり拡散したりしないでください。
最低3日分から1週間分という基準も、新しく現れた危険に対応して突然決められた数字ではありません。農林水産省や政府広報は、以前から家庭に同程度の食品・飲料水備蓄を推奨してきました。今回の特徴は、その既存の防災対策を防災庁の発足に際して再確認し、国・自治体・家庭で備えを強める点にあります。
政府側も備蓄を増やしている――10地域11拠点に
備えを求められているのは家庭だけではありません。細野大臣は10月27日の公式会見で、国による災害支援物資の分散備蓄拠点が、富山県などとの協力により「10地域11か所」になったことを説明しました。今後も拠点を増やし、暑さや寒さに対応する冷暖房設備などの確保も検討する方針です。
避難所のトイレや温かい食事、ベッド、入浴環境の改善も政府側の課題とされています。家庭備蓄は、行政の支援を不要にするという話ではなく、支援が届くまでの時間に備えるためのものです。
一次資料:復興庁・10月27日記者会見、内閣府・10月20日記者会見。
サイバー攻撃への政府対応は、これとは別の動き
10月26日には、首相官邸でサイバーセキュリティに関する関係閣僚会議が開催されました。高市早苗首相は、国内企業などへの相次ぐ攻撃と情報漏洩を踏まえ、相談支援の強化、脆弱性の検証、政府システムの安全対策などを指示しました。翌週中をめどに緊急対策パッケージを取りまとめる方針も示しています。
こちらは実際に起きているサイバー被害への政策対応です。11月2日の備蓄要請とは別の行政上の取り組みであり、両者が同時期に発表されたことだけで「近く社会インフラが止まる」と推測する根拠にはなりません。
とはいえ、自然災害でも情報システムの障害でも、電気・通信・決済・物流の一部が使えない状況は考えられます。原因を決めつけず、生活を支える代替手段を準備することには意味があります。
一次資料:首相官邸・10月26日の関係閣僚会議。
最低3日、できれば1週間。水と食品はどれくらい?
飲料・調理用の水は1人1日約3リットル
農林水産省は、飲料用と調理用を合わせて1人1日約3リットルを目安としています。したがって、1人なら3日間で9リットル、7日間で21リットル。4人家族なら3日間で36リットル、7日間で84リットルです。入浴や洗濯などに使う生活用水は、これとは別に考えます。
最初からすべてを一度に購入する必要はありません。家にある水を数え、不足分を普段の買い物で少しずつ増やしてください。
一次資料:農林水産省「大事な水、どうやって備えますか?」。
食品は、普段食べるものを少し多めに
缶詰、レトルト食品、パックご飯、シリアル、乾麺などを、日常の買い物で少し多めに保管します。停電・断水で調理できない場合に備え、開ければそのまま食べられる食品も入れておくとよいでしょう。古いものから食べ、使った分を買い足す「ローリングストック」なら、食品を無駄にせず続けられます。
乳幼児、高齢者、食物アレルギーがある家族、持病のある人など、食事に配慮が必要な場合は、家族に合った食品を別に準備しましょう。
見落としがちな携帯トイレ――4人なら7日で140〜168回分
政府広報オンラインは、携帯トイレについて「1人1日5〜6回 × 人数 × 7日分」を目安としています。これを計算すると、1人あたり3日分は15〜18回分、7日分は35〜42回分。4人家族なら3日分で60〜72回分、7日分で140〜168回分です。
携帯トイレは、便器に袋を取り付け、凝固剤などを使って排せつ物を処理する用品です。保管場所と使用後のごみの扱いを確認し、一度手順を読んでおくことが大切です。
政府広報:災害に事前に備える・トイレの備え。
大きな地震では、便器が無事で水があっても、下水道管や排水設備が損傷している可能性があります。東京都下水道局は、下水道の使用制限がある地域では利用を控え、制限がなくても排水設備の状態を確認するよう案内しています。無理に流すと汚水が逆流する場合があるため、建物管理者や自治体の情報を優先してください。
一次資料:東京都下水道局「災害時のトイレ対策について」。
停電・通信障害・決済停止にも備える
備蓄は食べ物と水だけではありません。スマホ決済やATMが使えない場合に備え、無理のない範囲で小額紙幣や硬貨を用意しておきましょう。スマートフォン用のモバイルバッテリーと充電ケーブルも、定期的に充電・点検します。
スマートフォン以外に情報を得る手段として、乾電池式や手回し式のラジオ、懐中電灯、予備電池も検討してください。どんな機器も停電時に使えるとは限らないため、電源方式と使い方を事前に確認しておくことが大切です。

家族の電話番号、待ち合わせ場所、避難先、必要な薬の情報は、端末が使えない場合にも確認できるよう紙に控える方法があります。ただし、重要なパスワードや金融情報は安易に書き出したり、持ち歩いたりしないでください。
災害時に開設されることがあるNTT東日本の災害用伝言ダイヤル「171」も、事前に利用条件を知っておきましょう。常時利用できるサービスではありません。
個人情報漏洩の通知が届いたら――IPAが新指針
10月26日、IPA(情報処理推進機構)は、個人情報の漏洩に遭った利用者向けに、具体的な対処方法を公開しました。重要なのは「何の情報が漏れたか」を確認し、それぞれに必要な行動を取ることです。
・ID・パスワード:該当サービスのパスワードを変更し、同じパスワードを使い回しているサービスも見直します。
・クレジットカード:発行会社に相談し、利用停止・再発行の要否と利用明細を確認します。
・氏名・電話番号・メールアドレス:自分の名前を知っている相手でも信用せず、不審なメール・SMS・電話に注意します。
・運転免許証などの本人確認書類:なりすまし契約を防ぐため、必要に応じて信用情報機関への本人申告を検討します。
漏洩を知らせるメール自体が偽物の場合もあります。メールのリンクを直接開くのではなく、公式サイトや公式アプリを自分で開いて、発表を確認してください。日頃からパスワードの使い回しを避け、多要素認証やパスキーも活用しましょう。
一次資料:IPA「自分の個人情報等が漏えいした際の『対処』と『日頃の対策』」(2026年10月26日)。
今日30分で確認する、10項目のチェックリスト
□ 家族全員の飲料・調理用の水は、何日分あるか
□ 食品は最低3日分あり、調理不要のものも含んでいるか
□ 携帯トイレは人数に応じた回数分あり、使い方を知っているか
□ 懐中電灯・ラジオ・予備電池が動くか
□ モバイルバッテリーの充電とケーブルの準備はできているか
□ 少額の現金と常備薬・衛生用品はそろっているか
□ 家族の連絡先・避難場所・安否確認方法を共有しているか
□ 乳幼児・高齢者・ペットなどに必要な用品を用意しているか
□ 重要なアカウントで使い回しパスワードを避けているか
□ SNSの情報を見たとき、原発表や日付を確認できるか
家の安全が確保されているときに家で生活するための「在宅避難用の備蓄」と、危険な場所から避難する際に持ち出す「非常用持ち出し袋」は別々に考えてください。津波・浸水・土砂災害などで避難が必要な場合は、備蓄があるからといって危険な場所にとどまってはいけません。
恐怖を広げず、確認できたことから備える
本記事は、SNS上の憶測や恐怖をあおる投稿とは一線を画すために、何を誰がいつ発表したか、何がまだ予定段階かを区別しました。災害やサイバー攻撃が「必ず近いうちに起きる」と予言する記事ではありません。
日本政府が家庭に備蓄を呼びかける方針であることは事実です。しかし、そこから差し迫った事件を断定することはできません。確認できない情報は確認できないと記し、今日からできることだけを具体的に示す――それが今回の続報の目的です。
不安に駆られて一度に大量購入する必要はありません。まず3日分を確認し、余裕があれば1週間分に近づける。水・食料・トイレだけでなく、通信、決済、家族との連絡方法を備える。できることを一つずつ増やすことが、最も実用的な対策です。
※本記事は2026年10月29日時点の情報に基づきます。11月2日に予定される要請の正式な内容は、政府発表後に改めて確認する必要があります。
一次資料・直接取材報道・写真出典
※政府資料および本人への直接取材を優先しました。FNNの記事は当事者本人の出演番組に基づく報道で、番組映像を当編集部が逐語的に全編照合したものではありません。





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