JAXA XRISMが“史上初”の快挙:3I/ATLASからX線を検出。40万kmに広がる光の雲とは?
- ACIMA WORLD NEWS 編集部

- 5 日前
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ローブ氏が速報分析
ACIMA WORLD NEWS 編集部
2025年12月10日
恒星間天体 3I/ATLAS が、史上初めて X線で観測されたことが明らかになりました。観測を行ったのは、日本が誇る JAXA のX線天文衛星 XRISM(クリズム) です。
搭載されている広視野ソフトX線撮像装置 Xtend(エクステンド) が、2025年11月26〜28日にかけて 3I/ATLAS を17時間にわたり追跡。その結果、核から最大40万kmに広がる淡いX線の発光を捉えることに成功しました。
これは、太陽系の百武彗星(1996)で初めて彗星X線が検出されて以来、世界で初めて“地球外(恒星間)天体でX線が見つかった”歴史的成果となります。

■ 3I/ATLASで何が起きているのか
XRISMがとらえたX線は、3I/ATLASの周囲に広がる巨大なガス雲が、太陽風との“電荷交換反応”によって光っていると考えられています。
実際、得られたスペクトルには 炭素・窒素・酸素の特徴的ピークが確認され、これは太陽系の彗星でもよく見られるシグナルです。
SPHEREx や JWST が 2025年8月に報告していた「3I/ATLASの巨大なガス放出」とも符合します。
■ ローブ氏の注目点:“自然説明モデル”を超える兆候は?
ハーバード大学のアヴィ・ローブ博士は、この発見を「先駆的」と評価した上で、太陽風との電荷交換では説明しきれない“追加の特徴”がないか に関心を示しています。
現時点では“自然説明モデル”が最有力ですが、今後他の研究チームが追観測することで、解釈が大きく動く可能性もあります。
■ 観測の裏側:3I/ATLASは太陽の向こう側に隠れていた
XRISMは太陽から60度以上離れた天域しか観測できない制約があるため、3I/ATLASが太陽背後から見える位置に移動した 11月26〜28日 に照準を合わせました。
観測中、3I/ATLASはおとめ座方向にゆっくり移動。これに合わせて衛星の高度が 14回 調整され、常に視野の中央へ保持されました。
この“機動的な追跡”が、今回の歴史的検出を可能にしたと言えます。
■ 日本の観測技術が世界の最前線を切り開いた
世界で最も注目されている天体 3I/ATLAS に対し、最初にX線の姿を捉えたのが JAXA の XRISM。
これは国際天文学コミュニティでも大きな話題になっており、日本発の成果として大きな評価を受けるでしょう。
■ アシーマの見解
今回のXRISMによるX線検出は、「恒星間天体の物理を初めてX線で切り取った」成果であり、世界的にも大きな快挙と言えるでしょう。
同時に、3I/ATLAS が持つ異例の“巨大ガス放出”や、SPHEREx・JWSTとの整合性も強まり、この天体が持つダイナミクスは太陽系の通常彗星よりはるかに強いことが再確認されました。
一方で、ローブ博士が示唆する「通常の電荷交換では説明がつかないX線成分」は、今後の分析で大きな議論になる可能性があります。
今後も一次情報に基づき、最新の科学的知見を丁寧に追っていきます。
■ みなさんは今回のXRISMの成果をどう見ますか?
今回の“史上初”の観測について、みなさまはどのように考えますか?
ぜひご意見やご感想をコメントでお聞かせください。




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