金は4年で“3.4倍”。銀3.1倍、プラチナ1.9倍──著者が Ray Dalio を尊敬する理由と、数字が語る2021→2025の世界経済
- ACIMA WORLD NEWS 編集部

- 5 日前
- 読了時間: 6分

世界経済や国際ニュースを読み解く上で、著者が最も強く影響を受けてきた人物がいます。
その人物が、Ray Dalio(レイ・ダリオ)氏 です。
氏の語る「歴史と経済のサイクル」は、世界を見る視点を根本から変える力を持っています。
著者はこれまで、Dalio 氏の著書『PRINCIPLES』、Bridgewater の分析レポート、数々のインタビューに触れ、「世界を長期の視点で捉えること」の重要性を学びました。
そんな中、2025年12月3日の貴金属価格を目にしたとき、Dalio 氏が長年警告してきた“構造変化”が数字として現れていると強く感じました。
金:6,726円 → 23,270円(約3.4倍)
銀:103円 → 327円(約3.1倍)
プラチナ:4,716円 → 9,108円(約1.9倍)
ドル円:109円 → 155.84円(約40%円安)
この記事では、これらの数字が示す世界経済の大きな変化を紐解き、著者が尊敬する Ray Dalio 氏の最新警告を交えながら、“いま世界で何が起きているのか” を深く解説します。
■ 第1章|2021→2025:数字で見る“貴金属4年間の激変”
まずは具体的な数字を一覧で整理します。
◎ 金(Gold)
年 | 国内価格 | 海外相場 | 為替 |
2021/3/19 | 6,726円/g | 1,733$/oz | 109円 |
2025/12/3 | 23,270円/g | 4,208$/oz | 155.84円 |
📈 金は4年間で約3.46倍
◎ 銀(Silver)
年 | 国内価格 | 海外相場 |
2021 | 103.78円/g | 26.06$/oz |
2025 | 327.19円/g | 58.45$/oz |
📈 銀は約3.15倍
◎ プラチナ(Platinum)
年 | 国内価格 | 海外相場 |
2021 | 4,716円/g | 1,207$/oz |
2025 | 9,108円/g | 1,638$/oz |
📈 プラチナは約1.93倍
◎ 為替(ドル円)
年 | ドル円 |
2021 | 109円 |
2025 | 155.84円 |
📉 円は40%近く価値低下
2021→2025 の数字を見るだけで、世界の構造が明確に変わった4年間だったということがわかります。
■ 第2章|なぜ金は3.4倍になったのか?
世界の4つの構造変化
金の高騰には“偶然”はひとつもありません。背景には以下の決定的な変化があります。
① 世界的インフレと“紙幣価値の希薄化”
コロナ後、世界中で大規模な金融緩和が行われました。
米国:4兆ドル規模のQE
欧州:同様に大規模緩和
日本:低金利政策継続
通貨量が増えれば価値は薄まります。その結果、希薄化しない資産=金が買われる のです。
② 債務膨張とドルの相対的弱体化
アメリカは史上最大の債務を抱えています。
2025年の米国債務:34兆ドル
金利上昇で利払い急増
財政赤字が慢性化
これらは“ドル価値の揺らぎ”につながります。
③ 戦争と地政学リスクの多発
2020年代は地政学が極めて不安定です。
ウクライナ
中東
台湾海峡
米中対立
こうした環境では、“有事の資産”である金への需要が急増します。
④ 中央銀行による史上最大の金買い
2022〜2025年は、世界の中央銀行の金購入量が史上最高レベルに達しました。
国家が金を買う時──それは通貨安と不安定化のサインです。
■ 第3章|銀とプラチナが示す“世界の未来”
金とは異なり、銀やプラチナには工業需要という現実経済の裏打ち があります。
◎ 銀(Silver)は未来産業の中心金属
EVバッテリー
半導体
5G機器
ソーラーパネル
銀価格の上昇は、世界が新たな産業革命に向かっている証拠でもあります。
◎ プラチナ(Platinum)は水素社会を支える金属
自動車の触媒
水素エネルギーの触媒
医療・化学
プラチナの強さは、「世界のエネルギー構造が変わりつつある」ことを示しています。
■ 第4章|Ray Dalio(レイ・ダリオ)とは誰か
──著者が最も強く尊敬する理由
ここからは、著者が最も影響を受けた人物、Ray Dalio 氏について詳しく解説します。
◎ 世界最大級ヘッジファンド「Bridgewater Associates」創業者
運用総額はピーク時 約15兆円規模
世界中の機関投資家・国家が依頼するファンド
過去50年で最も成功したヘッジファンドの一つ
著者がダリオ氏を尊敬する最大の理由は、「短期の相場よりも“長期の構造”を読む力」にあります。
◎ “オール・ウェザー戦略”の創始者
Dalio 氏が生み出したAll Weather Portfolio(全天候型ポートフォリオ) は、
景気拡大
景気後退
インフレ
デフレ
どの局面でも耐えうる設計になっており、世界中の投資プロフェッショナルが参考にしています。
◎ 歴史を軸にした「債務サイクル」「戦争サイクル」分析
Dalio 氏は投資家であると同時に、歴史と政治の徹底した研究者 でもあります。
数百年単位で世界を分析し、
通貨の価値
国家の興亡
戦争のパターン
経済の循環
これらを“長期的視点”で解き明かします。
著者が彼を尊敬する理由はまさに、
「ニュースではなく“構造”を見る目を持っているから」
です。
◎ 国家レベルが相談する「世界の羅針盤」
Dalio 氏は、
国家のトップ
中央銀行
IMF・世界銀行
などから助言を求められる存在です。
世界の重要な意思決定の裏側にDalio 氏の分析が反映されることも珍しくありません。
■ 第5章|Dalio 氏の2025年の警告
──「金は最も安全な価値の保存手段」
2025年のインタビューで Dalio 氏は、次のようなメッセージを発しています。
●「15%を金で持つべきです」
“About 15% of a portfolio should be in gold.”
●「戦争・通貨価値の毀損・不安定の時代です」
“We are entering a time of war, devaluation and instability.”
●「金は誰の負債でもありません」
株=企業のリスク債券=国家や企業の借金
しかし金は、
“誰の債務にも依存しない”唯一の資産
です。
これは著者がDalio氏の思想に強く共感しているポイントでもあります。
■ 第6章|日本:155円の円安が金価格を“二重に押し上げた”
金の円建て価格が3.4倍になった理由は、ドル建て価格の上昇だけではありません。
ドル建て価格 → 約2.4倍
円安 → 約40%価値低下
結果 → 円建てでは3.4倍
これは 「金高」+「円安」=二段上げ の状態です。
■ 第7章|では、どう受け止めるべきか?
◎ 金は“未来予測のための資産”ではなく“保険”
Dalio 氏が強調するように、金は「価値を守るための資産」です。
◎ 銀とプラチナは“世界経済の温度”を測る指標
未来産業に直結しており、上昇は構造変化を映します。
◎ 最も大切なのは“世界の動きを長期で捉える姿勢”
短期の価格ではなく、2020年代〜2030年代の構造変化を見る力 が必要です。
■ アシーマの視点|数字は世界を語ります
2021→2025の貴金属と為替の動きは、世界の変化を示す“最も分かりやすいサイン”です。
インフレ
通貨の価値
債務問題
技術革新
地政学
エネルギー転換
これらの複合要因が、世界の構造を大きく変えつつあります。
ACIMA WORLD NEWS は、今後も一次情報と専門家の知見をもとに、世界の動きを日本語でわかりやすく解説してまいります。
■ 中学生でもわかる3ポイント要約
金・銀・プラチナの値段が大きく上がりました。
世界が不安なので「安全な資産」として金が買われています。
円安で、日本ではさらに高く見えるようになりました。
■ アシーマの翻訳・通訳サービス
株式会社アシーマ(Acima Corporation)は、金融・AI・製造業・企業法務・技術文書など、高度な専門領域の翻訳・通訳サービスを提供しております。
国際ビジネスに関する言語サポートは、どうぞお気軽にご相談ください。
■ 【注釈:本記事に関する重要事項】
本記事は、2025年12月3日時点の情報に基づき作成しております。貴金属価格・為替・地政学リスクは日々変動するため、投資判断を行う際は必ず最新情報をご確認ください。
Ray Dalio 氏を含む専門家の意見は一般的な経済分析であり、個々の状況に応じた投資助言を目的とするものではありません。
本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品や投資行動を推奨するものではありません。
■ コメント募集
今回の「2021→2025の金価格の劇的変化」について、どのように感じましたか?
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