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🧠 人は「宇宙に知的生命がいる」となぜ思うのか?──アヴィ・ローブ博士らが挑む“科学的信念”の正体

更新日:11月15日

地球外知的生命体はいるのか?
地球外知的生命体はいるのか?


1. 科学が「信念」を研究する時代へ


ハーバード大学の天体物理学者 アヴィ・ローブ博士(Avi Loeb) が率いる新しい国際調査が、いま静かに注目を集めています。そのテーマは──「あなたは地球外知的生命体の存在を信じますか?」です。


しかしこの研究は、単なるアンケートではありません。博士が目指しているのは、「人々が“科学的テーマをどう信じるか”という心理構造の解析」です。

つまり、“宇宙に生命がいるかどうか”という問いを通じて、私たち人間がどのように科学を信じ、どのように未知を受け入れるのかを探っているのです。


2. 調査に込められた知的生命に関する問いの意図


ローブ博士らのチーム(共同研究者:Gershon Tenenbaum教授、Omer Eldadi博士)が公開したアンケートは、単なるYes/No形式ではなく、人間心理・社会認知・科学リテラシーを多面的に測る構造になっています。

実際の質問は以下の通りです(要約・日本語訳付き)。



🧩 調査の質問一覧(抜粋・日本語訳)


個人属性に関する質問

  1. あなたは現在どの国に住んでいますか?

  2. あなたの年齢はいくつですか?

  3. あなたは自分をどのように表現しますか?(性別・自己認識など)

  4. あなたの最終学歴は?

  5. 科学関連の話題への関心や関与度をどのように表現しますか?


心理的傾向に関する質問

6. あなたはどの程度「好奇心が強く、新しいものを求めるタイプ」ですか?

7. あなたはどの程度「曖昧さ(不確実な状況)」に慣れていますか?

8. あなたはどの程度「懐疑的」だと思いますか?


宇宙観・信念に関する質問

9. あなたは、人類が宇宙における他の知的生命と比べて特別だと思いますか?

10. あなたは、「地球外に知的生命体が存在する」とどの程度信じていますか?

11. あなたの周囲(友人・家族・同僚)は、この考えをどの程度共有していると思いますか?

12. あなたは、専門家(天体生物学者)の多くがどの程度それを信じていると思いますか?


情報提示後の再評価

13. 「58.2%の天体生物学者が“知的生命は存在する可能性が高い”と答えている」という情報を読んだあと、 あなたの考えはどの程度変化しましたか?

14. その情報を知ったあと、あなたの周囲の人々はどう考えると思いますか?


社会的・文化的要因に関する質問

15. あなたは政府や科学機関が重要な発見を“真実として公表する”ことをどの程度信頼していますか?

16. あなたはどの程度SF(映画・小説・ドラマなど)を楽しみますか?

17. あなたはSNSをどの程度利用していますか?

18. あなたはどの程度、UFO/UAP(未確認飛行物体・現象)関連の情報に触れていますか?19. あなたは「宇宙の未知」について考えるとどの程度不安を感じますか?



3. 研究者たちは何を知っていて、何を知りたいのか?


この質問構成から、ローブ博士らが「すでに把握していること」と「これから解明したいこと」は明確に見えてきます。


✅ すでに彼らが知っていること

  • 専門家の実態データ:2025年に Nature Astronomy 誌で発表された調査(Vickersら)によると、 天体生物学者の58.2%が「知的生命は存在する可能性が高い」と回答している。

  • 科学的関心層の属性:科学に関与する人々は、一般よりも好奇心が強く、懐疑的であり、 同時に「不確実性に耐えやすい」傾向を持つ。


つまり、ローブ博士らは“科学的思考を持つ人々の心理的特徴”をすでに理解しているのです。


🔍 彼らが知りたいこと

  1. 信念の形成プロセス ──人々が「宇宙に生命がいる」と信じる理由は、科学的知識なのか、文化的影響なのか?

  2. 社会的影響の力 ──他人(友人・科学者・メディア)の意見が、どれほど個人の信念を左右するのか?

  3. 情報更新による変化 ──“専門家の58.2%が信じている”という事実を知ると、人々の考えは変わるのか?

  4. 感情と信念の関係 ──未知や宇宙に対する「不安」や「好奇心」が、信念の強さにどう影響するのか?


言い換えれば、ローブ博士たちは 「科学を信じる心のメカニズム」 を心理学と社会学の手法で明らかにしようとしているのです。



4. “信じる科学”──その本当の意味


この研究は、「UFOを信じるか?」という単純な調査ではありません。むしろ、「科学的思考を持つ人ほど、どのように“未知”を受け入れるか」という問いです。


ローブ博士は以前から、「科学の進歩には好奇心と謙虚さが不可欠だ」と語ってきました。その言葉どおり、この調査は「未知を前にした人間の知的態度」を数値化する試みなのです。

“Science advances through curiosity and evidence, not assumptions.”「科学は、仮定ではなく、好奇心と証拠によって進歩する。」

博士がこの研究で見ようとしているのは、「好奇心」と「証拠信頼性」の交差点。つまり、“科学を信じる”という人間の行為そのものを、科学的に分析する挑戦です。



5. アシーマとしての視点


翻訳会社である私たちアシーマは、この研究を「言葉と認知の科学」としても興味深く見ています。なぜなら、「信念」は単なる思想ではなく、言語を通じて形づくられる情報構造だからです。


たとえば、「地球外生命を信じる」と答える人でも、それを「希望」と捉えるのか、「確信」と捉えるのか、「科学的可能性」として捉えるのかで、意味はまったく変わってきます。

こうした微妙なニュアンスを調べることで、「科学をどのように語るか」=「科学がどのように理解されるか」という本質に迫れるのです。


私たちアシーマも、こうした国際的研究を日本語でわかりやすく紹介することで、科学と社会の“言葉の架け橋”でありたいと考えています。



🌌 まとめ:あなたは、どう信じていますか?


このアンケートが本当に問うているのは──「あなたは宇宙に知的生命がいると思いますか?」ではなく、「あなたは“何を根拠にそう思うのか”」です。


信念は個人の内側にありますが、それを測定し、比較し、理解しようとすることこそ、科学の新しい形と言えるでしょう。


“信じる”ことも、また科学の一部である。

それでは、またお会いしましょう。



文:ACIMA WORLD NEWS 編集部

世界は「おめでとう」で溢れています。その一つひとつに、ちょっとだけ思いをはせてみませんか?


●株式会社アシーマより

科学的探究の精神は、国境や言語を越えて共有されるべきものです。

株式会社アシーマ(Acima Corporation)は、世界の最前線で生まれる科学・宇宙・国際ニュースを、正確かつ情熱をもって日本語でお届けしています。

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これからもアシーマは、読者のみなさまと共に歩んでまいります。

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