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【最新情報】3I/ATLASの「整いすぎた軌道」:ハーバード大アヴィ・ローブ教授が語る、第四の謎

  • A.S.
  • 10月9日
  • 読了時間: 6分

更新日:11月14日

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NASAのフェルミ・ガンマ線望遠鏡によるガンマ線観測図は、天の川銀河の円盤(銀河面)と、太陽のまわりを公転する地球の黄道面との相対的な傾きを示しています。 (クレジット:NASA/DOW/Fermi)



前回の記事では、太陽系を訪れた「第三の恒星間天体」3I/ATLASが、なぜ世界中の科学者やSFファンを同時に魅了しているのかをお伝えしました。


オウムアムアやボリソフと並ぶ「銀河の旅人」としての存在、そして、その軌道や性質に潜む数々の謎――。


あの記事の中で私は、「3I/ATLASは彗星のようでありながら、どこか違う」と書きました。そして今、その“どこか違う”部分を、より科学的に掘り下げようとしている人物がいます。


それが、ハーバード大学のアヴィ・ローブ教授です。


彼は、「地球外知性の可能性を真剣に科学で検証する」稀有な天文学者として知られています。


今回は、そのローブ教授が最新の分析で指摘した「3I/ATLASの軌道整列角4.89度」という異常値に焦点を当て、この整いすぎた軌道が何を意味するのかを一緒に考えてみたいと思います。


なお、もし前回の記事をまだ読んでいない方は、ぜひ先にそちらからご覧ください。

3I/ATLASがどんな天体で、なぜ注目されているのか――背景を知ってから読むと、今回の話がぐっと深く楽しめるはずです。(👉 前回の記事はこちら:「3I/ATLAS最新情報:NASAとナショナルジオが追う“第3の恒星間天体”の正体と謎」)


アヴィ・ローブという科学者

アヴィ・ローブ(Avi Loeb)教授は、ハーバード大学で長年天文学を研究してきた世界的な科学者です。ブラックホール・イニシアティブ(Black Hole Initiative)の創設ディレクターであり、ハーバード・スミソニアン天体物理学センター理論計算研究所の所長でもあります。

彼は、2021年の著書『地球外生命――地球外知性との最初の遭遇(Extraterrestrial)』で、2017年に観測された“オウムアムア”が「異星文明の探査機である可能性」を提起し、世界中の議論を呼びました。

科学的厳密さと大胆な想像力を兼ね備えた、いわば「異端にして本流」の科学者です。


彼の真価は、「未知を笑わず、データで検証する」という姿勢にあり、“地球外知性”という言葉を扱いながらも、根拠を求め続ける冷静さ――それがローブ教授の信頼の源です。


そんな彼が今回注目しているのが、3I/ATLASの軌道の異常です。


3I/ATLAS

2025年10月3日、3I/ATLASは火星の近くを通過しました。


NASA、ESA、中国、UAE――各国の探査機が観測の準備を整えていましたが、その後、観測結果の発表はほとんど聞こえてきません。


この沈黙について、ローブ教授はこう説明しています。

「アメリカ政府の一部閉鎖によってNASAの活動が遅れ、大規模な研究チームがデータをまとめるには時間がかかります。報告の遅れは“宇宙人の仕業”ではなく、“人類の事務処理能力の限界”にすぎません。」

皮肉を交えつつも、科学の現場を知る者ならではの実感がにじみます。


「情報が出てこない=陰謀」ではなく、「科学には時間がかかる」。これこそ、ローブ流のユーモアであり、真理なのかもしれません。


ローブ教授が最も注目しているのは、3I/ATLASの軌道の傾き(整列角)です。この天体の軌道は、地球の黄道面――つまり太陽を中心とした公転面――に対して、わずか 4.89度 しか傾いていないのです。


黄道面とは、太陽系の惑星たちがほぼ同じ平面上を公転している基準面のことです。しかし、恒星間天体は太陽系の外からやって来ます。そのため、黄道面に対してこれほど小さな角度で侵入するのは、極めて稀な現象です。


過去の観測記録を見ると、1I/オウムアムアは 123度、2I/ボリソフは 44度。3I/ATLASの整列角は、それらとはまったく異なる、異様なまでの「平行」です。


地球の黄道面は、私たちの銀河(ミルキーウェイ)の円盤面に対して約60度傾いています。つまり、太陽系は銀河の中で少し斜めに浮かんでいるような存在です。

銀河内の星々は、中心を回る公転運動に加えて上下方向に揺れ動く「小周運動(エピサイクル運動)」をしています。そのため、恒星間天体の飛来方向は基本的にランダムであり、特定の面に沿って入ってくることはほとんどありません。


このような条件下で、3I/ATLASが黄道面とわずか5度以内で整列する確率は1%未満です。これは、100回コインを投げて全部が表になるようなものです。統計的にはほぼ「起こり得ない偶然」と言っていいでしょう。

しかし――宇宙は、私たちの“あり得ない”を何度も超えてきました。そのたびに科学は拡張され、私たちの世界観は塗り替えられてきたのです。


2017年に出現した1I/オウムアムアを覚えているでしょうか。葉巻のように細長い形をしたその天体は、彗星でも小惑星でも説明できず、太陽に近づく際、ガスの噴出を伴わない“非重力加速”を示しました。

ローブ教授はそのとき、こう提起しました。

「もしかするとこれは、異星文明が送り出した光帆――太陽光を受けて進む探査機のようなものかもしれない。」

もちろん、科学界では賛否両論が巻き起こりました。

しかし彼の論文は、“地球外知性を科学的仮説として扱える時代”を切り開いたとも言えます。

今回の3I/ATLASも、その延長線上にあるのです。彗星のように見えながら、どこか“自然とは言い切れない”軌道と性質。その奇妙な一致を、私たちはどこまで「偶然」と呼べるでしょうか。


ローブ教授は決して「宇宙人が来た」と叫んでいるわけではありません。むしろ、科学の枠を広げるために想像力を使う科学者です。

彼はこう語っています。

芸術的想像力には、私たちの視野を広げる力がある。科学だけでは見えない宇宙の真実を、芸術が補ってくれることがある。」

科学は観測とデータに基づく真理の探求であり、芸術はその未知を受け止める人間の感性の表現です。両者が交わるとき、私たちは「事実」と「意味」の両方を理解しようとします。


3I/ATLASの軌道の謎は、ただの数字の偶然なのでしょうか?それとも、宇宙が私たちに向けた“静かなサイン”なのでしょうか?


科学の目的は、未知を恐れることではなく、未知の中に問いを見つけ、理解しようとすることにあります。


3I/ATLASの整列角4.89度という現象は、私たちに「宇宙にはまだ説明できないことがある」という当たり前の事実を思い出させてくれていると思います。


偶然か、必然か。その問いにすぐ答えは出ません。


しかし、答えを探し続けることこそが「科学」であり、人間の知性であると私は考えいます。


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参考情報 / References


※この記事は、これらの一次情報およびアヴィ・ローブ教授の論考をもとに独自に構成・執筆しています。科学的知見と想像力の両面から、3I/ATLASの謎を読み解く試みです。




文:ACIMA WORLD NEWS 編集部

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