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ベトナム「ニントゥアン2原発」、韓国KEPCOと協議加速 技術・投資・金融を共同検討

5 日前
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ベトナムのニントゥアン2原発をめぐり、国営のベトナム国家工業・エネルギーグループ(Petrovietnam)と韓国電力公社(Korea Electric Power Corporation、KEPCO)が協議を加速しています。両社は2026年9月8日にソウルで会談し、技術、投資、資金調達を含む協力案の検討と情報交換を強めることで一致しました。


ただし、KEPCOが建設事業者や正式な海外パートナーに選定されたわけではありません。今回確認できるのは協力案の研究・協議を進める合意であり、炉型、契約額、出資比率、EPC契約、融資額、着工日は発表されていません。


ニントゥアン2原発で何が決まったのか


ベトナム政府電子新聞によると、Petrovietnamの最高経営責任者レ・マン・クオン(Le Manh Cuong)とKEPCOの社長キム・ドンチョル(Kim Dong-cheol)は9月8日、韓国・ソウルで原子力分野の既存協力協定の実施について協議しました。Reutersも、レ・マン・クオンをPetrovietnamのChief Executive、キム・ドンチョルをKEPCO Presidentとして報じています。


会談では、PetrovietnamとKEPCOが技術、投資、金融の選択肢について研究・情報交換を強化し、両国の関係機関による支援も促すことで一致しました。KEPCO側は、ニントゥアン2の準備状況への理解が深まったとし、Petrovietnamと効率的な実施モデルを研究したい意向を示しています。


用地については、ベトナム政府電子新聞が「会合で共有された情報」として、必要面積の約97.5%で用地解放が完了し、残る作業も早期完了が見込まれると伝えました。これは行政発表に基づく数字であり、ACIMA WORLD NEWSが独自に測量・登記資料を検証した数字ではありません。ReutersもPetrovietnamの説明として同じ97.5%を報じています。


4月のMOUから協議が具体化


今回の会談は突然始まったものではありません。2026年4月22日、Petrovietnamは韓国側と原子力分野の2件の覚書(MOU)を交換しました。1件はPetrovietnamとKEPCOによる原子力発電所開発協力の研究、もう1件はPetrovietnam、KEPCO、韓国輸出入銀行(KEXIM)、韓国貿易保険公社(KSURE)による原子力プロジェクトの金融協力研究です。


重要なのは、いずれも「研究協力」のMOUであり、建設契約や融資実行の確定ではない点です。9月8日の合意は、その枠組みを踏まえて技術・投資・金融の具体的な選択肢をさらに検討する段階と位置づけるのが正確です。


また、ベトナム首相は2025年4月1日付の文書で、Petrovietnamをニントゥアン2の事業主体に指定しました。Petrovietnamの公式発表によると、発電所本体、建設インフラ、運転・専門家・プロジェクト管理施設、広報センターの4事業に加え、人材育成を進める枠組みです。


KEPCOが示すバラカ原発の経験


KEPCOは今回の会談で、アラブ首長国連邦(UAE)のバラカ原子力発電所での経験を共有しました。ベトナム政府電子新聞は、KEPCOが大規模原子力案件では長期協力、パートナー間の信頼、実行体制が重要だと説明したと伝えています。


建設中のUAEバラカ原子力発電所の原子炉建屋
建設中のUAEバラカ原子力発電所(2017年)。KEPCOは2026年9月8日の協議で同案件の経験を共有したとベトナム政府電子新聞が説明。写真:Wikiemirati / CC BY-SA 4.0 / Wikimedia Commons

この実績をKEPCO側が前面に出したことは確認できますが、バラカと同じ炉型や契約方式がニントゥアン2で採用されると決まったわけではありません。技術方式や事業スキームは、今回も検討対象として残っています。


日本が関わってきたニントゥアン2、その後の韓国との協議


この案件は日本にとっても無関係ではありません。ニントゥアン2は長く日越原子力協力の対象となってきましたが、2025年12月、Reutersは伊藤直樹・駐ベトナム日本大使の発言として、厳しい事業日程を理由に「日本側はニントゥアン2を実施できる立場にない」と報じました。


その後、ベトナム側は外国パートナーを探す中で韓国との協議を進めています。Reutersは2026年9月9日、ベトナム商工省が7月時点でKEPCOを「潜在的なパートナー」と位置づけていたと報じました。ただし、現時点でKEPCOの正式選定が確認されたわけではなく、「日本の代わりに韓国が受注した」と表現するのは早すぎます。


世界の原子力市場で何を意味するのか


今回の動きが示すのは、新興国の大型原子力プロジェクトでは、原子炉技術だけでなく、投資と長期金融を一体で提示できる体制が競争力になっていることです。4月のMOUにKEXIMとKSUREが加わっている点は、設備供給だけではなく金融面まで検討対象になっていることを示しています。


一方で、現在はあくまでパートナー候補との協議段階です。正式な選定、技術方式、資金調達条件、契約構造、許認可、工程が公表されるまでは、プロジェクトの最終形を断定できません。


日本企業・読者にとって何が重要か


ベトナムに製造拠点やサプライチェーンを持つ日本企業にとって、長期的な電力供給基盤の整備は事業環境に直結します。また、原子力プロジェクトの技術・金融パートナーが決まれば、機器仕様、調達基準、エンジニアリング、保険・金融の枠組みに影響が及ぶ可能性があります。


ただし、今回の発表に日本企業の受注や参加は記載されていません。日本企業への直接的な商機を示す発表ではなく、まずはベトナムの大型電源計画でパートナー選定と資金構造がどう固まるかを追うべき局面です。


ACIMA WORLD NEWSの視点


今回のニュースで注目すべきなのは、「韓国がベトナム原発を受注した」という話ではありません。4月22日の研究MOU交換から約4カ月半で、PetrovietnamとKEPCOが技術・投資・金融の選択肢を並行して詰める段階へ進んだことです。


次に確認すべき決定的な材料は、正式な外国パートナー選定、炉型・技術方式、投資・融資条件、EPCなどの契約、許認可、そして具体的な工程です。ACIMA WORLD NEWSは、発表済みの事実と候補段階の情報を分けながら、ニントゥアン2原発の進展を追跡します。



一次情報(Primary Sources)


ベトナム政府電子新聞(Chinhphu.vn)|2026年9月8日

https://baochinhphu.vn/petrovietnam-va-kepco-thuc-day-hop-tac-trien-khai-cac-du-an-dien-hat-nhan-10226090818540121.htm


Petrovietnam公式|2025年4月3日(ニントゥアン1・2の事業主体指定)

https://www.pvn.vn/thu-tuong-giao-petrovietnam-va-evn-lam-chu-dau-tu-hai-du-an-dien-hat-nhan-ninh-thuan-28133


Petrovietnam公式|2026年4月23日(4月22日のPetrovietnam・KEPCO等のMOU交換)

https://www.pvn.vn/petrovietnam-nghien-cuu-hop-tac-phat-trien-dien-hat-nhan-voi-cac-doi-tac-han-quoc-33418


独立照合:Reuters|2026年9月9日

https://www.reuters.com/business/energy/petrovietnam-kepco-step-up-talks-nuclear-power-project-2026-09-09/


日本との過去の経緯:Reuters|2025年12月8日

https://www.reuters.com/business/energy/japan-pulls-out-vietnam-nuclear-project-complicating-hanois-power-plans-2025-12-08/


ヒーロー画像:2014年、IAEAの天野之弥事務局長(当時)によるベトナム・ニントゥアンの原発予定地視察。今回のPetrovietnam・KEPCO会談を撮影した写真ではありません。写真:Conleth Brady / IAEA, CC BY-SA 2.0 via Wikimedia Commons


本文画像:建設中のUAEバラカ原子力発電所(2017年)。写真:Wikiemirati, CC BY-SA 4.0 via Wikimedia Commons



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