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米国、Xinbi Guaranteeを制裁 240億ドル超処理、暗号資産5200万ドル超を処分制限

3 時間前
読了時間: 5分

米財務省外国資産管理局(OFAC)は2026年9月9日、中国語圏のオンライン市場Xinbi Guarantee(Xinbi)を、行政命令13581(改正後)に基づく「重大な国際犯罪組織」として制裁対象に指定しました。今回のXinbi Guarantee 制裁は、東南アジアの詐欺拠点を支える市場だけでなく、その決済・通信インフラにも制裁を広げた点が重要です。


同日、米司法省のScam Center Strike Forceは、Xinbiと関連業者のネットワークについて、詐欺資金洗浄に関係するとする暗号資産5200万ドル超を処分制限(restrained)したと発表しました。これは刑事手続きと制裁措置が同時に進んだ案件です。


Xinbi Guarantee 制裁で何が変わるのか


OFACによる指定の結果、対象者の米国内、または米国人の保有・管理下にある財産と財産上の権利はブロックされ、OFACへの報告対象になります。対象者が直接・間接に合計50%以上所有する法人も原則としてブロック対象です。一般許可・個別許可または適用除外がない限り、米国人や米国内を通る対象資産に関する取引は原則禁止されます。


日本企業に対する一律の取引禁止を意味するわけではありません。一方、OFACは非米国人についても、米国人に制裁違反を生じさせる行為や制裁回避行為を禁じていると説明しており、ドル決済や米国金融機関、米国人が関与する取引では特に制裁スクリーニングが重要になります。


米財務省は『240億ドル超を処理』と説明


米財務省によると、Xinbiの市場は2022年ごろの開始以降、デジタル資産と法定通貨の換算額で240億ドル超を市場・関連プラットフォーム経由で処理し、取引は主に東南アジア諸国で行われたとされています。米財務省の発表は、240億ドル全額を犯罪収益として確定した金額とは述べていません。


同省はXinbiを、詐欺拠点運営者と、金融サービス・技術・その他の商品を提供する業者を結ぶ中核的な違法市場と位置づけています。また、北朝鮮のハッカーや、すでにOFAC指定を受けた組織が利用したと報告されています。


米司法省は5200万ドル超の暗号資産を処分制限


米司法省によると、ワシントンD.C.連邦地裁は9月7日、Xinbiの市場をホストしていたTelegramチャンネルの差し押さえを許可しました。同じ令状に基づき、捜査当局は業者への支払いに使われていた2つの暗号資産ウォレットを差し押さえ、そこには合計約1200万ドルが保有されていたとしています。


さらに当局は、Xinbiのネットワークや詐欺業者の資金洗浄に関係するとみられる47の追加ウォレットについて処分制限を求め、協調措置全体で5200万ドル超の暗号資産が処分制限されたと発表しました。司法省は、この5200万ドルを「詐欺の資金洗浄に関係する暗号資産」と説明しています。


SafeWとAnwen Technologyも米制裁の対象に


OFACはXinbi本体に加え、シンガポール拠点のSafeW Technology Co., Ltdと、カンボジア拠点のAnwen Technology Co., Ltdも指定しました。米財務省は、Xinbiが2025年6月ごろから業者・資金洗浄ネットワークをSafeWの暗号化メッセージング環境へ移行し、同時期にAnwenが開発した暗号資産決済・ウォレットアプリXinbiPay(NewPayとも呼ばれる)を投入したと説明しています。


今回の措置は、違法市場そのものだけでなく、取引を成立させる通信・決済の支援企業まで対象に含めたものです。サイバー詐欺対策が、犯罪グループの摘発からインフラ遮断へ広がっていることを示します。


英国は3月にXinbiを先行制裁


Xinbiを巡っては、英国政府が2026年3月26日に先行して制裁を発表しています。英国政府はXinbiを東南アジア最大級の違法市場の一つとし、詐欺拠点向けに暗号資産サービスや盗まれた個人データ、通信機器などを提供していると説明しました。米財務省も今回の措置について、英国の3月の制裁を補完するものだと明記しています。


日本企業・金融機関が見るべきポイント


日本の金融機関、暗号資産関連事業者、フィンテック企業、海外送金を扱う企業にとって重要なのは、取引先企業名だけでなく、関連ウォレット、送金経路、支援サービスまで確認範囲が広がっていることです。とりわけ米国の金融インフラを使う国際取引では、OFAC指定の更新を継続的に確認する必要があります。


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ACIMA WORLD NEWSの視点


今回のニュースで見落とされやすいのは、「暗号資産犯罪への制裁」という一点ではありません。米国はマーケットプレイス、ウォレット、暗号化メッセージング、決済アプリという複数レイヤーを同時に狙っています。犯罪ネットワークが一つのサービスを失っても別サービスへ移ることを前提に、周辺インフラごと遮断する方向へ執行が進んでいるとみられます。


日本企業にとっても、制裁コンプライアンスは「取引先名をリストで確認する」だけでは足りなくなりつつあります。決済手段、利用サービス、受取ウォレット、実質的な所有関係まで含めた確認が、国際取引の実務課題になっています。


一次情報





画像:U.S. Treasury Building / Loren / Wikimedia Commons / Public Domain。画像のライセンス情報


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