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米OFAC、イラン自動車・鉄道をセクター制裁対象に 日本企業は部品取引と決済先を確認

3 日前
読了時間: 4分
貨物列車とコンテナ輸送の俯瞰風景。イラン自動車・鉄道部門への米制裁と国際物流・部品取引を示すイメージ
写真:Julien Goettelmann / Pexels(ドイツ・オッフェンブルクの貨物列車。イランの対象企業・施設を撮影したものではありません)

米財務省外国資産管理局(OFAC)は2026年10月1日、イランの自動車部門と鉄道部門を、行政命令(E.O.)13902に基づく追加の制裁対象分野として指定しました。OFACのイラン制裁ページでは、この決定の発効日を10月1日と明記しています。

同日の措置では、イランの主要自動車メーカーや鉄道会社だけでなく、インドネシア、アラブ首長国連邦(UAE)、トルコ、香港の自動車部品供給業者も指定されました。日本企業にとっては「イラン関連取引がすべて新たに禁止された」と単純化するのではなく、取引先、最終用途、部品の供給経路、決済先を具体的に確認することが重要です。



何が変わったのか:自動車・鉄道の「部門指定」と企業の個別指定


今回のポイントは二つあります。第一に、OFACがE.O.13902の対象分野としてイランの自動車部門と鉄道部門を新たに加えたことです。第二に、その決定と同時に、これらの部門で活動するとして複数の企業をSDNリストに追加したことです。

自動車分野ではIran Khodro Company(IKCO)、SAIPA、Iran Khodro Diesel、Pars Khodro、Zamyad、Niroo Motor Shiraz、Niroo Motor Damavandなどが指定されました。鉄道分野ではIslamic Republic of Iran Railway Company、Raja Passenger Trains Company、Railway Transportation Companyが指定対象です。

また、米財務省はイラン国外の供給業者として、インドネシアのPT Golden Motorcycle International、UAEのIntegrated Auto Parts、トルコのTroy Trading、香港のHessenberg(Jedburgh)とTanex Global Tradingを挙げています。部品供給が国境をまたぐ案件である点は、日本企業が自社の一次取引先だけでなく、その先の納入先や用途まで確認する必要性を示します。



日本企業への影響:自動的な「全面禁輸」とは分けて考える


OFACのFAQ 831は、E.O.13902の対象分野で活動するイラン人・非イラン人が制裁対象となり得ることに加え、対象分野に関連して重要な物品・サービスをイランへ、またはイランから販売・供給・移転する重要な取引を、事情を知りながら行う者にはブロッキング制裁のリスクがあると説明しています。

さらに、E.O.13902で指定された人物・企業を実質的に支援した者が指定される可能性や、指定者のために重要な金融取引を行った外国金融機関が米国のコルレス口座・ペイアブルスルー口座に関する制裁リスクにさらされ得ることも示されています。

これは、日本企業のあらゆるイラン向け取引が同日から一律に違法になった、という意味ではありません。個別案件では、取引相手、物品・サービスの用途、取引の重要性、指定者との関係、適用される例外・許可などを区別して確認する必要があります。



輸出・供給部門がまず確認したい4項目


第一に、取引先の正式名称を最新の制裁リストと照合します。英語表記だけでなく別名やグループ会社にも注意し、同名・類似名だけで即断しないことが大切です。

第二に、製品や部品の最終用途を確認します。自動車・鉄道向けの部品、機械、技術サービスなどは、購入者の名称だけでなく、実際にどの企業・設備・用途へ渡るのかを整理します。商社や第三国の販売会社が間に入る場合は、最終需要者まで確認できる資料を揃えておくと判断しやすくなります。

第三に、契約書や注文書で納入先、再販売先、制裁条項、解除・停止条件を確認します。取引を停止する場合も、契約上の根拠や相手方への通知方法を整理し、制裁リスクの評価と契約対応を混同しないようにします。

第四に、送金前に金融機関と決済ルートを確認します。銀行側の審査基準や取り扱いは取引内容によって異なり得るため、「以前送金できた」という実績だけで今回も同じと判断せず、対象企業や用途の情報を更新して照会するのが安全です。



次に確認すべきこと:OFACの更新と自社の取引記録


今回の部門指定は10月1日に発効しています。今後はOFACのRecent Actions、SDNリストの更新、FAQや追加ガイダンスを継続して確認する必要があります。特に既存契約がある場合は、契約締結日だけでなく、今後の出荷、再輸出、支払いの各段階で取引相手や用途に変更がないかを確認します。

AWNの実務上の見方では、最初に作るべきなのは「取引先名・最終需要者・製品用途・出荷予定日・決済銀行」を1枚で確認できる一覧です。これに制裁リスト照合日と確認担当者を加えておけば、追加指定が出た際にどの案件を再確認すべきかを絞り込みやすくなります。

本件は国内でもロイター配信などで報じられています。本記事では、OFACの一次資料に基づき、部門指定の発効日と、海外供給業者まで含む対象範囲、日本企業の取引・決済実務で確認したい点に重点を置きました。



一次資料と関連サービス


海外当局の制裁・規制情報を自社の取引先や製品に合わせて整理したい場合は、アシーマへご相談ください。

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