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英国、日本向けサハリン2 LNG輸送を特例許可 2028年3月末まで

4 日前
読了時間: 4分

英国政府は2026年10月1日、日本向けのロシア産LNG海上輸送について新たな一般貿易許可(General Trade Licence)を公表しました。対象はサハリン2プロジェクトから日本へ輸入されるLNGで、一定の条件を満たす場合に限り、英国企業が本来禁止される関連行為を行えるようにするものです。

許可の対象期間は2027年1月1日から2028年3月31日まで。対象となるのは、2025年6月17日より前に締結されたLNG供給契約に基づく輸入です。英国政府は、この措置について既存制裁の緩和ではなく、日本のエネルギー安全保障を支えながらロシア産エネルギーへの依存低下を進めるための、限定的かつ期限付きの措置だと説明しています。

海上を航行するLNGタンカー。英国の対ロシアLNG海上輸送制裁と日本向けサハリン2特例を示す資料画像

画像:LNG tanker in the Pomerania bay / Leonhard Lenz(Wikimedia Commons、CC0)。資料イメージであり、サハリン2の実際の輸送船を撮影したものではありません。



対象は「サハリン2・既存契約・期間限定」


今回の許可には3つの重要な条件があります。第一に、LNGがサハリン2プロジェクトからの輸入であること。第二に、供給契約が2025年6月17日より前に締結されていること。第三に、許可対象となる行為が2027年1月1日から2028年3月31日までの期間内に行われることです。

英国政府は、新規契約に基づくロシア産LNG取引や、制裁指定者との取引まで認めるものではないと明記しています。したがって、日本向けであればロシア産LNG全般が自動的に例外になる、という制度ではありません。



なぜ英国の許可が日本のLNG輸入に関係するのか


英国は2026年5月、ロシア産LNGの海上輸送に英国企業が関与することを制限する措置を導入しました。長期契約については2027年1月1日から規制が広がるため、英国の事業者が関係する輸送サービスを継続できるかどうかが、日本向けサハリン2 LNGの実務にも影響します。

今回の日本向け一般許可は、その2027年以降の規制下でも一定の既存契約について英国企業の関与を認めるものです。日本企業にとっては、LNGそのものの売買契約だけでなく、輸送に関係する英国の事業者が許可条件を満たしているかを確認する必要があります。



利用者にはOTSIへの通知と記録保存が必要


英国政府の案内によると、この一般許可を利用する者はOffice of Trade Sanctions Implementation(OTSI)へ通知し、許可に基づいて行った各行為について記録を保存する必要があります。

これは、日本側の輸入企業に一律に新しい英国申請義務を課す、という意味ではありません。実際に英国規制の対象となる事業者が誰か、どのサービスが許可の対象となるかは取引構造によって異なります。契約相手、船舶運航、関連サービスの関係者を整理し、英国側の関係事業者と確認することが重要です。



日本企業が年内に確認しておきたいこと


2027年1月1日の規制拡大前に、日本の電力・ガス・商社・物流関連企業は、少なくとも①対象LNGがサハリン2由来か、②供給契約の締結日が2025年6月17日以前か、③英国企業が関与する輸送・関連サービスがあるか、④その英国事業者が一般許可の通知・記録要件を満たす体制を取っているか、を確認しておくと実務上の混乱を減らせます。

また、今回の許可期限は2028年3月31日です。長期契約の残存期間がそれ以降に及ぶ場合、今回の許可だけで全期間をカバーできるとは限りません。更新や追加措置を前提にせず、許可期限を契約・輸送計画の管理項目に入れておく必要があります。



AWNの視点:制裁対応は「国」ではなく取引経路で見る


今回のような一般許可では、日本向けという条件だけを見ても十分ではありません。供給元、契約日、輸送期間、英国企業の関与、指定者の有無など、複数の条件が重なって初めて適用関係を判断できます。

エネルギー取引では、売買契約の当事者だけでなく、船舶、仲介、金融、保険など多くの関係者が存在します。制裁や一般許可が更新されたときに、どの契約・どの事業者へ影響するかをすぐに確認できるよう、取引関係を一覧化しておくことが重要です。



一次情報


公表日:2026年10月1日。許可条件や通知・記録要件は、実際の取引時点で英国政府の最新版を再確認してください。



海外規制の確認を取引判断につなげる


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