top of page

テスラFSD、スロベニアで利用可能に オランダの暫定EU型式認証を承認

5 日前
読了時間: 4分

スロベニア政府は2026年9月8日、Teslaの運転支援システム「FSD(Supervised)」について、オランダの型式認証機関RDWが発行した暫定EU型式認証を同国で承認したと発表しました。


Tesla FSD スロベニアの今回の動きで重要なのは、「EU全域で全面承認された」のではなく、スロベニアの交通安全当局AVPが、RDWによる暫定認証をEU規則に基づいて認めたという点です。利用には暫定認証の条件が適用されます。


何が起きたのか


スロベニアのインフラ・エネルギー省によると、同国のJavna agencija Republike Slovenije za varnost prometa(AVP、交通安全庁)は、RDWが2026年4月10日に発行したFSD(Supervised)の暫定EU型式認証を承認しました。これにより、その認証条件の範囲内でスロベニア国内でもシステムの使用が認められます。


政府発表は、AVPがEU規則2018/858の第39条に基づいて承認したと説明しています。この仕組みは、新技術や新しい車両コンセプトについて、既存の型式認証要件の一部に例外を設ける暫定的な手続きです。


Tesla FSD スロベニア:一次情報が示す法的な意味


スロベニア政府は今回の認証を「暫定EU型式認証」と明記しています。また、この暫定認証は欧州委員会レベルの承認手続きと結び付いており、今回のスロベニアの決定だけでEU全域に自動的に適用されるものではありません。


オランダRDWも4月10日の説明で、当初の認証はオランダ国内での使用を可能にするもので、EU全域での使用にはRDWによる申請、加盟国による投票、担当委員会での多数決という追加手続きが必要だと説明しています。


「自動運転」ではない


名称にFull Self-Drivingとありますが、欧州で認証されているFSD(Supervised)は自動運転車ではありません。RDWは「driver controlled assistance system(運転者が管理する運転支援システム)」と明記し、運転者が責任を負い、常に車両を制御できる状態でなければならないと説明しています。


Reutersも9月8日、スロベニア交通安全当局が認証を確認したと報道しました。同通信によれば、スロベニアはこのシステムの使用を認めた欧州で6番目の国となりました。ただし、Teslaが示しているEU全域での投票時期は将来の可能性であり、実施・承認済みの事実とは区別する必要があります。


スロベニア・リュブリャナのH3自動車道の参考写真
スロベニア・リュブリャナのH3自動車道の参考写真。Tesla FSDの試験・使用風景ではありません。写真: Jay Galvin / CC BY 2.0 / Wikimedia Commons.

世界的には何を意味するのか


今回の決定は、高度な運転支援機能を各国がどのような型式認証の枠組みで市場投入するかという、欧州の規制実務が動いていることを示します。ソフトウェア更新によって車両機能が変化する時代には、認証後の監視や事故調査、ソフトウェアの適合性を誰が継続的に確認するかも重要になります。


スロベニア政府は、RDWが認証後の監視、利用中のシステムの追跡、報告、安全性に関する所見の評価について引き続き責任を負うと説明しています。


日本企業・読者への影響


今回の決定が日本国内の自動運転・運転支援制度を直接変更するわけではありません。ただし、欧州で自動車を販売する日本メーカーや部品・ソフトウェア企業にとって、EU規則の下で高度な運転支援機能がどのように暫定認証され、加盟国へ広がるのかは重要な規制動向です。


特に、車両の競争力がハードウェアだけでなくソフトウェア機能と継続更新に移るなか、認証取得の方法、ドライバーモニタリング、安全データの提出、認証後の監視体制は、欧州市場で事業を行う企業にとって無視できない要素になります。


ACIMA WORLD NEWSの視点


このニュースの本質は、「Teslaの自動運転が欧州で解禁された」という単純な話ではありません。高度な運転支援ソフトウェアを既存の車両認証制度の中でどう扱うか、その制度運用が国境を越えて積み上がり始めたことにあります。


今後の焦点は、EUレベルでの承認手続きがどう進むか、各国がどの条件で認証を受け入れるか、そして実運用データを踏まえた監視がどう行われるかです。ACIMA WORLD NEWSでは、メーカー側の表現と規制当局の法的な位置付けを分けて追っていきます。



一次情報・照合資料





ヒーロー画像:Tesla Model Y(大阪・心斎橋の参考写真)。今回のスロベニアでのFSD利用を撮影したものではありません。写真: Mr.ちゅらさん / CC BY 4.0 / Wikimedia Commons.



海外の一次情報を、日本語で判断できる形に


株式会社アシーマでは、海外政府・企業の公式発表や現地報道を確認し、背景や制度まで含めて整理する海外情報リサーチを提供しています。



最新記事

すべて表示

コメント

5つ星のうち0と評価されています。
まだ評価がありません

評価を追加

海外の一次情報を、日本語で。

海外ニュース、政府公開資料、研究論文、AI・テクノロジー、宇宙など、日本語ではまだ十分に紹介されていない情報を、株式会社アシーマが原文・一次資料から読み解いてお届けします。

Acima Intelligence

bottom of page