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米商務省、日本産メチオニン「撤廃ならダンピング再発の可能性」 5年審査で76.50%

20 時間前
読了時間: 4分
飼料用途を示す羊の資料写真。日本産メチオニンの米国反ダンピング措置5年見直しを示すイメージ
資料写真。今回の米国審査対象製品そのものを撮影した写真ではありません(Pixabay / Ligthsome)

米商務省は2026年10月5日、日本、フランス、スペイン産メチオニンに対する反ダンピング(AD)措置の初回5年見直し(サンセットレビュー)について最終結果を公表しました。措置を撤廃した場合、ダンピングが継続または再発する可能性が高いと判断し、日本については、その場合に想定される加重平均ダンピング・マージンを最大76.50%としました。

日本企業が注意したいのは、76.50%が10月5日に新しく設定された追加関税率という意味ではないことです。2021年から日本産メチオニンにはAD命令が存在しており、今回の公表は、その措置を撤廃した場合のダンピング再発可能性を商務省が判断する5年見直しの一部です。米国際貿易委員会(ITC)は別に、撤廃した場合に米国内産業への重大な損害が継続・再発する可能性を審査しています。

10月5日に商務省が決めたこと

商務省のFederal Register通知は10月5日適用です。商務省は、日本、フランス、スペインの3カ国について、AD命令を撤廃すればダンピングが継続または再発する可能性が高いと判断しました。想定マージンはフランス最大43.82%、日本76.50%、スペイン37.53%です。

今回の商務省審査では、米国内生産者Novus Internationalが参加し、商務省はrespondent interested partyからsubstantive responseを受け取らなかったとして、120日間の迅速審査を実施しました。

「76.50%の新規課税」ではない

日本産メチオニンのAD命令は2021年9月14日に発効しています。当時の命令では、住友化学とその他の日本企業について推定加重平均ダンピング・マージンはともに76.50%とされました。今回のサンセット審査は、その既存措置を5年経過後も維持すべきかを判断する手続きです。

したがって、今回の通知を「10月5日から日本産メチオニンに76.50%の新関税が発生した」と読むのは正確ではありません。輸入時に適用される現行の現金預託率や個別の通関指示については、輸入者・通関業者と最新のCommerce/CBP指示を確認する必要があります。

対象製品はメチオニンとHMTBa 第三国加工にも注意

2021年の命令の対象には、純度、粒径、グレード、物理形態を問わないメチオニンと、dl-メチオニンのヒドロキシ類似体であるHMTBaが含まれます。日本で製造された対象品を第三国で精製したり、液体から乾燥形態へ変換したりしても、それだけで対象外になるわけではありません。対象国以外のメチオニンと混合された場合も、対象成分部分は範囲に含まれます。

一方、米国薬局方(USP)グレードのメチオニンは、規定された化学、純度、性能、表示要件を満たす場合に対象外とされています。HTSUS番号は便宜上示されていますが、最終的には書面によるscopeの記述が優先します。

ITCの損害審査はまだ続く

米ITCは9月、メチオニンの5年見直しをfull reviewとして進めることを決定しています。日本については国内側とrespondent側双方の回答が適切と判断され、撤廃によって米国内産業への重大な損害が継続または再発する可能性があるかを今後審査します。審査日程は別途公表される予定です。

つまり10月5日の商務省結果は重要な判断ですが、5年見直し全体がこれだけで終了したわけではありません。日本企業は「商務省のダンピング判断」と「ITCの損害判断」を分けて追う必要があります。

日本企業が今確認したい4点

第一に、自社製品がscopeに入るかを化学組成、用途、グレード、第三国加工の有無まで含めて確認します。第二に、米国輸入者や通関業者と現行のAD現金預託率・通関指示を確認します。第三に、見積書や長期契約でADコストを誰が負担するか、税率変更時の価格改定条項があるかを確認します。第四に、ITCのfull reviewの日程と最終判断を継続して追います。

特に、第三国で加工・混合して米国へ輸出する商流では、原産国表示やHTSUSだけで対象外と判断せず、scopeの文章と実際の加工内容を照合することが重要です。

一次情報・確認資料

米政府官報(GovInfo):https://www.govinfo.gov/content/pkg/FR-2026-10-05/pdf/2026-20384.pdf

Federal Register(2021年9月14日):https://www.federalregister.gov/documents/2021/09/14/2021-19709/methionine-from-japan-and-spain-antidumping-duty-orders

海外の関税・反ダンピング措置や輸出入規制を、自社製品・契約条件に合わせて確認したい場合は、アシーマの海外情報リサーチをご利用ください。

海外情報リサーチ:https://www.acimacorporation.com/overseas-research

契約書・海外資料の翻訳サービス:https://www.acimacorporation.com/translation

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