COP17開幕へ、生物多様性目標を初の世界総点検 遺伝情報の利益分配「カリ基金」が焦点
欧州委員会は2026年10月16日、アルメニアで19日から開かれるCOP17に向け、自然保護の世界目標を初めて総点検する方針を説明した。遺伝情報から生じる利益を自然保護に還元するカリ基金の実効性も焦点だ。

2022年に採択した23目標を初めてまとめて検証
COP17では、2022年採択の「昆明・モントリオール生物多様性枠組」に掲げた23の世界目標を、初めて世界全体として点検する。2030年までに陸域・内陸水域・沿岸・海域の30%を保全・管理する目標を含め、実施状況を検証する。
今回のグローバルレビューは、2030年のCOP19でも繰り返す点検制度の最初の試金石だ。各国の宣言だけでなく、測定・報告・資金確保が議論される。
「カリ基金」は今回新設される制度ではない
遺伝資源のデジタル配列情報(DSI)は創薬、農業、バイオ技術などで利用される。2024年のCOP16で合意されたカリ基金は、DSIの商業利用による利益を生物多様性保全と、先住民族・地域社会に還元する仕組みだ。
基金自体は2025年2月に始動している。COP17の焦点は、企業からの拠出や利益分配の具体的な運用にあり、今回初めて設立されるという意味ではない。
EUが10月19日に議論する運用上の課題
欧州委員会は10月19日に「DSI多国間メカニズムとカリ基金の早期運用に必要なもの」をテーマとする会合を共催する予定だ。製薬・食品・バイオ技術に関わる企業の参加をどう具体化するかが注目される。
これは、すべての企業に一律の納付義務がすでに課されたという発表ではない。資金が現地の自然保護や地域社会に届くか、実際の拠出・配分実績を継続的に確認する必要がある。
自然保護の資金と新しい仕組み
欧州委員会は公的支出に加えて民間資金の導入を重視している。10月27~28日の閣僚級会合に合わせ、生物多様性クレジットについて新しい協力の取り組みも発表される見通しだ。
資金調達の枠組みが増えても、実際の保全効果をどう測定するかが重要だ。日本にとっても、国際的な生物多様性目標への取り組みと、遺伝情報の商業利用をめぐる制度の動向は注目に値する。
今後の焦点・一次資料
会期は2026年10月19~30日、開催地はアルメニアのエレバン。各国の初の世界進捗評価、カリ基金の資金拠出と配分方法、先住民族・地域社会の参加に具体的な進展があるかを追う。事前発表と会議での正式決定を混同してはならない。





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